日本が貧しくなった真の原因:消費税が奪った「バラ色の未来」
先進国からの脱落、その衝撃的な現在地
我々は今、どれほど貧しい国に生きているのだろうか。まずは冷徹な事実から直視せねばならない。 数字はあまりに残酷だ。日本の新入社員の年収は、いまや韓国を下回っている。800万円を超えるスイスや600万円台のアメリカには遠く及ばず、もはや先進国とは名ばかりの状況に陥りつつあるのが現実だ。 一体いつから、日本はこれほどまでに凋落してしまったのか。その答えは極めて明確である。1997年、あの時点から日本経済のすべてが狂い始めたといえる。
1997年、成長を止めた「日本固有」の要因
GDP、すなわち国内総生産の推移を見れば一目瞭然である。1997年まで、日本経済は世界のどの国とも同じように順調に拡大していた。しかし、消費税が3%から5%に引き上げられたあの日を境に、日本の成長だけがピタリと止まってしまったのだ。 よく「アジア通貨危機のせいだ」などと言われるが、データを見ればそれは明らかな誤りである。震源地であったはずのアジア諸国や、アメリカはその後も右肩上がりで成長を続けているからだ。世界の中で唯一、日本だけが成長の軌道から脱落した。この異常事態を引き起こしたほどの「日本固有の要因」は、消費増税という歴史的な失策以外には考えられないのである。
給与激減、奪われた豊かさの正体
この失策は、国家のマクロな数字だけでなく、我々一人ひとりの給与をも直撃した。 サラリーマンの給与推移をつぶさに見れば、増税のタイミングと完全にリンクして賃金が下落している事実が浮かび上がる。2014年の8%への増税、そして2019年の10%への増税。このたびに実質賃金はガクンと下がり、我々の生活水準は確実に削り取られてきた。 もしあの時、増税という選択をしていなければどうなっていただろうか。おそらく給料は今よりも伸び続け、現在の1.5倍、あるいは2倍になっていた可能性すらある。我々が奪われたのは、本来手にするはずだった「バラ色の未来」そのものといえるだろう。
経済の源を枯らす消費税の罪
経済という生態系において、「消費」とは太陽のようなエネルギー源である。消費があるからこそ企業の投資が生まれ、経済にお金が回り、最終的に我々の賃金へと還元されるのだ。 しかし、消費税はその循環を根本から断ち切ってしまう。物価が上がれば、同じ金額で買えるモノの量、つまり「実質消費」が強制的に減らされるからだ。これは、例えば1000円で買えていた米の量が減らされるのと同じ理屈であり、我々の「豊かさ」そのものが物理的に奪われていることを意味する。 消費税こそが、日本を貧困化させ続けてきた元凶である。この因果関係を正しく理解しない限り、失われた30年を取り戻すことはできないだろう。
