消費税の正体は「付加価値税」。利益と人件費を狙う罰金
弱者だけをいじめる「逆進性」の正体
消費税とは、年20兆円ものお金を国民から吸い上げる巨大な集金システムである。その犠牲になっているのは消費者だけではない。価格転嫁のできない中小企業や下請け、そして労働者という「弱者」たちだ。 消費税は、立場の弱い者ほど負担が重くなる「逆進性」という最悪の性質を持っている。大企業は下請けに負担を押し付け、消費者はなけなしの収入から税を払う。そして何より恐ろしいのは、この税金が、働く人の賃金を抑制する「罰金」として機能している点にある。
「付加価値税」という本来の名前
なぜ消費税は賃金を下げるのか。その答えは、この税金の本来の名前、「付加価値税」にある。 企業の利益とは、売上から原価を引いた残りの「付加価値」から生まれる。例えば、1000円で木を仕入れ、加工して1万円の机を作れば、9000円の付加価値が生まれる。この9000円の中身は、職人への「人件費」と会社の「利益」だ。 消費税とは、まさにこの「人件費と利益の合計」に対してかけられる税金なのである。
雇用そのものにかかる税金
具体的に計算してみよう。付加価値が9000円あれば、その約11分の1、つまり約800円を税務署に納めなければならない。 ここが重要なのだが、この800円の計算根拠には「人件費」が含まれている。つまり、人を雇って給料を払えば払うほど、その分だけ消費税の納税額も増える仕組みになっているのだ。 経営者からすれば、正規雇用で人件費を増やすことは、そのまま消費税の増税につながる。だからこそ、消費税の負担を避けるために正社員を減らし、非正規雇用やアウトソーシングへと走るインセンティブが働いてしまうのである。
なぜ「消費税」と名付けたのか
世界では当たり前のように「付加価値税(VAT)」と呼ばれているこの税金を、なぜ日本だけが「消費税」と呼ぶのか。 かつて「売上税」という名前で導入しようとした際、事業者からの猛反発を受けて廃案になった過去がある。そこで政府は、「これは消費者が負担する税金ですよ」と印象操作するために、「消費」という言葉を使って本質を隠蔽したのだ。 その結果、我々は「消費税は買い物にかかる税金」だと思い込まされ、実態が「労働と利益に対する罰金」であることに気づけないまま、30年間も賃金が上がらない国に住み続けているのである。
