政治・経済

消費税の闇。「輸出戻し税」は巨額の補助金だった

taka

輸出戻し税という名の「補助金」

消費税には、一般にはあまり知られていない巨大な還流システムが存在する。「輸出戻し税」である。輸出企業売上ランキングの上位、例えばトヨタ自動車などは、年間で巨額の還付金を受け取っている。 建前としての理屈はこうだ。「輸出先である海外では消費税を預かることができない。しかし、国内の下請け企業からの仕入れには消費税分を支払っている。だから、その払いすぎた分を国が返還する」というものだ。一見、筋が通っているように聞こえるかもしれない。しかし、消費税を「預かり金」ではなく「直接税」として捉え直したとき、この理屈は完全に崩壊し、単なる「輸出補助金」へと姿を変えることになる。

払っていない税金が戻ってくる矛盾

前回の講義でも触れた通り、消費税の実態は、事業者の付加価値に課される直接税である。裁判でも国側は「事業者は消費税を預かっていない」と明言している。つまり、輸出企業は下請け企業に対して消費税を「預けて」などいないのだ。単に「代金」を支払ったに過ぎない。 にもかかわらず、国は「仕入れにかかった消費税分」として計算上の金額を還付している。本来払っていないはずの税金が戻ってくる。これを「補助金」と呼ばずして何と呼ぶのだろうか。この仕組みにより、消費税率が上がれば上がるほど、輸出企業の受け取る還付金は自動的に増額されることになる。

経団連が増税を望む理由

ここに、財界や経団連が消費増税を熱望する本当の理由が見え隠れする。普通に考えれば、増税は国内消費を冷え込ませ、景気を悪化させるため、企業にとってはマイナスのはずだ。しかし、売上の大半を輸出で稼ぐ大企業にとっては話が違う。国内市場が多少縮小しようとも、増税によって還付金という名の補助金が増えるメリットの方が大きいからだ。 「日本経済を支えているのは輸出企業だ」という反論もあるだろう。だが、日本のGDPにおける輸出依存度は約14%に過ぎない。日本は圧倒的に内需中心の国なのである。ごく一部の輸出企業を潤すために、国内経済全体を犠牲にする増税を行うことは、本末転倒といわざるを得ない。

消費税収の2割が消える不条理

驚くべきことに、消費税収の約20%、金額にして約6兆円もの大金が、この還付金として輸出企業に流れているというデータがある。赤字の中小零細企業からも容赦なく徴収された消費税が、結果として体力のある大企業への補助金として還流されている構図だ。 さらにインボイス制度が導入されれば、庶民や小規模事業者への課税は強化され、この不条理な格差は拡大する一方だろう。消費税とは、広く公平に負担を分かち合う税ではなく、弱者から吸い上げ強者へ富を移転する装置なのかもしれない。このシステムそのものを、根本から疑う時期に来ているのではないだろうか。

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TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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