日本経済の「サナダムシ」。消費税をなくせば年収は1.7倍になる
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小野寺税調会長が、年間5兆円規模となる食料品の消費税減税について「赤字国債には頼らない」と明言した。これは高市首相の姿勢でもあるとし、しっかりとした財源の裏付けを持って対応するという。一見すると責任ある発言に聞こえるかもしれない。しかし、この「赤字国債の否定」こそが、深刻な経済の停滞を招く危険性を孕んでいるといえる。
そもそも国債の増発は、将来世代へのツケなどではなく、市中への「通貨供給」である。減税によって国民の負担を減らす一方で、別の増税や歳出削減という「財源の裏付け」を求めてしまえば、経済全体のお金の流れはプラスマイナスゼロになってしまう。これでは、せっかくの景気刺激効果が完全に骨抜きにされてしまうのだ。日本の国債利払いの対GDP比は先進国でも最低水準であり、今こそ国債を有効活用すべき局面である。
「税収の範囲で歳出を賄う」という財政規律に固執する姿勢は、財務省の意向を色濃く反映しているように見える。実質賃金が長年下がり続け、需要が極めて弱い現在の日本において、削り取られた財源で作る減税策は本末転倒である。財源確保を言い訳にして経済成長の機会を逃し続けた「失われた30年」の過ちを、私たちは再び繰り返そうとしているのではないだろうか。
特例公債、すなわち赤字国債の発行は、民間の金融資産を直接的に増やす強力な手段である。これに道を閉ざし、単なる予算の付け替えで消費税減税を取り繕うのであれば、それは「無責任な緊縮財政」と呼ばざるを得ない。高市政権が掲げたはずの積極財政は本物なのか、それとも幻に終わるのか。真の経済再生に向けた覚悟が、今まさに問われているのである。