形骸化する財政法4条。日本経済を縛る建前と現実
形骸化する「財政法4条」の矛盾
現在、日本の財政運営において「財政法4条」という法律が大きな議論を呼んでいる。これは国の支出を原則として税金で賄い、建設国債などの特例を除いて赤字国債の発行を禁じるものである。しかし、現実の国家財政を見れば、毎年のように特例法が組まれ、赤字国債が発行され続けているのが実態である。建前上は禁止としながら、例外を常態化させて予算を組む手法は、もはや法の自己矛盾を起こしていると言えるだろう。
国際標準から外れた特異なルール
海外に目を向けると、多くの国では国債発行を財政運営の「通常の手段」として位置づけている。日本のように、原則禁止を掲げながら毎年例外扱いを繰り返す構造は一般的ではない。この不自然な法体系こそが、「国債発行は国の借金であり悪である」というネガティブなイメージを国民に植え付けてきた。そして、その誤った認識に基づく緊縮的な発想が、長年にわたる日本経済の衰退を招く一因となっているのである。
見直しを拒む「財政の信任」という言葉
国会では、野党議員からこの矛盾に対する鋭い追及が行われた。現実に即していない財政法4条を改正、あるいは廃止すべきではないかという問いである。これに対し、片山財務大臣は「特例法を国会で議論し議決するプロセス自体が、財政への信任を維持している」と答弁した。初めから赤字国債を前提に予算を組んでいるにもかかわらず、「財政の信任」という曖昧な言葉を盾に、本質的なルールの見直しを避けた形である。
現実的な財政運営への転換を
積極的な財政出動を掲げる政権であっても、この根幹のルールを変える覚悟がなければ、真の意味で国民のための経済政策を実行することは難しいだろう。聞こえの良い言葉を並べても、実態が既存の枠組みに縛られたままであれば、その恩恵は国民に届かない。日本経済を立て直し、人々の生活を豊かにするためには、実態に合わない建前を潔く捨て去り、現実に基づいた柔軟な財政運営へと舵を切る決断が不可欠である。
