消費税の真実。減税案に潜む罠と滞納の実態
消費税は「預かり税」ではないという事実
長年、消費税は消費者が支払い、事業者が預かって国に納める「間接税」であると説明されてきた。しかし、実態は異なる。消費税は企業に直接課される「直接税」の性質が極めて強い。この本質を見誤ると、現在政治の場で議論されている表面的な減税案が、いかに危険なものであるかを見落としてしまう。国民の多くが誤解しているこの事実から、まずは目を覚ます必要があるといえる。
食料品0%案が招く「外食産業への増税」
先の選挙で話題となった「食料品だけ消費税0%」という案。一見すると国民に優しい政策に見えるが、実は大きな罠が潜んでいる。現在の仕組みでは、飲食店は売上にかかる消費税から、食材仕入れにかかる消費税を差し引いて納税している。もし食料品の消費税が0%になれば、仕入れでの控除ができなくなり、売上の消費税を丸ごと納めることになってしまう。つまり、減税どころか外食産業にとっては100%の確率で「増税」となり、死活問題に発展するのである。
給付付き税額控除に隠された財務省の狙い
さらに警戒すべきは、「給付付き税額控除」という制度である。これは低所得者への支援を名目にしているが、真に困っている人をピンポイントで救済するためには、政府が国民全員の資産や負債を正確に把握する必要が生じる。海外資産や暗号資産までをも政府が一元管理する社会になりかねない。何よりこの制度は、消費税の逆進性を緩和する口実となり、将来的な消費税増税や制度の温存を図る財務省の思惑が透けて見えるのである。
赤字企業を追い込む「賃上げ妨害税」からの脱却
現在の消費税の新規滞納額は5000億円を超え、全税目の滞納額の半分以上を占めている。これは、赤字であっても容赦なく課税される仕組みそのものが破綻している証拠である。利益が出ていなくても納めなければならないため、企業は賃上げや設備投資に回す資金を奪われてしまう。まさに「賃上げ妨害税」といえるだろう。一部だけの減税や複雑な制度設計ではなく、消費税そのものの一律減税、あるいは廃止こそが、日本経済を救う唯一の道である。
