政治・経済

株価5万円突破の罠。実体経済との乖離と真の課題

taka

歴代政権が描いた株価上昇の軌跡

2012年末に発足した安倍政権以降、日本の株式市場は劇的な変化を遂げてきた。当時の日経平均株価は1万円の大台を回復したばかりであったが、「アベノミクス」を背景に2万3000円台へと上昇。その後、コロナ禍という未曾有の危機に見舞われた菅政権下でも2万9000円台まで値を上げ、続く岸田政権では、ついに1989年のバブル期最高値を更新し、4万円台に到達した。 さらに、短命に終わった石破政権の末期から、次期リーダーとしての高市氏への期待感が高まると、市場は再び活気づいた。2025年秋に高市政権が誕生すると、その期待を背に日経平均株価は5万円の大台をも突破したのである。一連の株価の動きだけを追えば、日本経済は長きにわたるバブル崩壊の後遺症から、ついに完全に立ち直ったかのように見える。

株価5万円と実体経済の拭いきれない乖離

しかし、その華々しい株価の裏側で、実体経済は決して楽観視できる状況にはない。 例えば、地方における景況感の回復は未だ鈍く、都市部との格差が浮き彫りになっている。さらに深刻なのは家計の状況である。長引く物価高の影響で貯蓄率は大幅に低下しており、今後さらに製品価格が上昇した場合、それに耐えうる余力は家計から失われつつある。株価が過去最高値を更新し続ける一方で、私たちの生活にその恩恵が波及しているとは言い難いのが現実といえる。

遠のく「デフレ脱却宣言」の真意

ここで一つの疑問が浮かび上がる。日本の消費者物価指数は、すでに政府や日銀が目標として掲げた「2%」を上回り、3%超の上昇を続けている。それにもかかわらず、なぜいまだに正式な「デフレ脱却宣言」が出されないのか。 答えは明白である。現在の株価上昇は、あくまで将来の景気回復を見越した「期待感」が先行して作り上げたものに過ぎないからだ。インフレ率は上がっていても、実質賃金の上昇や安定した需要の拡大といった、真の意味での経済の好循環には至っていないことを、政府自身が静かに認めている証左である。

日本経済を再起動させるための道筋

だからこそ、現在の高市政権が直面している最大の課題は、膨張した株価と冷え込んだ実体経済との間にある乖離を、いかにして縮小させるかにある。 日本経済の行く手を阻む構造的な停滞要因を排除するには、もはや小手先の対策では不十分である。国が積極的な財政政策を打ち出し、需要を意図的に高める「高圧経済」を実現すること。それこそが、家計と企業を真に豊かにし、さらなる成長へと導くための唯一の道筋といえる。日本経済の真価が問われるのは、まさにこれからである。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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