政治・経済

新自由主義の終焉。世界が向かう「付加価値型成長」

taka

「政府は邪魔」という時代の終わり

1990年代から2010年代にかけて、世界と日本を席巻した経済政策がある。それが「新自由主義」である。 「政府の関与は経済の邪魔になる」という考えのもと、徹底的な規制緩和や民営化、減税が進められた。国境の壁を低くし、最もコストの安い国でモノを作り、グローバルに効率と「量の成長」を追い求める時代であった。しかし、企業が短期的な利益とコスト削減ばかりを追求した結果、深刻な副作用が生じた。貧富の格差の拡大、長期的な技術投資の停滞、国内産業の空洞化、そして特定の国に資源を依存する安全保障上のリスクである。この脆さは、ロシアのウクライナ侵攻やコロナ禍によって決定的に露呈することとなった。

世界の潮目を変えた「新しい官民連携」

こうした新自由主義の限界を迎え、2021年頃を境に世界の経済政策は大きな転換点を迎えた。 短期的な利益を追う「民間任せ」から、政府と民間が手を結ぶ「官民連携」の時代へのシフトである。目指すのは、単なる業務の効率化ではなく、経済安全保障や環境問題、少子高齢化といった中長期の社会課題を解決するための大胆な「成長投資」だ。そして、この投資を通じて実現しようとしているのが、世界の新たな潮流である「付加価値型成長」なのである。

「付加価値型成長」が人口減少の壁を越える

量の成長と付加価値型成長の違いは、牛丼と高級フレンチに例えると分かりやすい。 同じ金額で安い牛丼を2杯食べるのが「量の成長」だとすれば、投資をして美味しいフレンチを作り、高くても買ってもらえるようにするのが「付加価値型成長」だ。 「日本は人口が減るから成長できない」という悲観論は、古い新自由主義の視点に縛られているに過ぎない。人手が足りず旅館の部屋が半分しか稼働できなくても、投資をして立派な露天風呂を作り、宿泊料を3倍にできれば売上は劇的に伸びる。これこそが付加価値の力である。

成長投資の大競争時代を勝ち抜くために

今、世界各国で財政赤字が膨らんでいると批判されることがあるが、それは単なるバラマキではない。実は、各国が自国の課題解決と将来の成長に向けて、競い合うように巨額の官民連携投資を行っている結果なのだ。 課題をいち早く解決し、新たなビジネスモデルを生み出した国は、その付加価値を世界へ輸出することができる。人口減少は成長の限界ではない。「投資をする知恵」と「踏み出す勇気」を持てるかどうかが、日本の未来を決定づけるのである。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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