政治・経済

「円安で貧しくなった」は錯覚。真の元凶と円の行方

taka

「円安で貧しくなった」という錯覚

「円安のせいで、日本は貧しい国になった」。海外旅行での高額な出費や、名目GDPでドイツに抜かれたニュースに触れ、そう嘆く声は後を絶たない。しかし、マクロ経済のデータから冷静に分析すると、それは一種の錯覚であることがわかる。 モノの輸出入を基準とした「輸入物価で調整した実質的なドル円レート」を紐解くと、現在の水準は過去の円安局面と比較して、決して異常なほど行き過ぎたものではない。むしろ、この円安という環境の恩恵によって、日本の貿易収支は着実に改善へと向かっているのが現実である。

貧しさの真の元凶は「政府の失策」

では、なぜ国民はこれほどまでに生活の貧しさを実感しているのか。その真の元凶は為替レートではなく、過去30年以上にわたり、歴代政府が「国の経済規模を膨らませる」という責務を放棄し続けてきたことにある。 もし政府が緊縮財政の罠に陥らず、国と企業を合わせた資金需要を適切な水準に保っていれば、日本の名目GDPは今頃850兆円規模にまで膨らんでいたはずだ。ドイツに抜かれたのは、円安で日本の価値が目減りしたからではない。自ら投資と成長を止め、長きにわたって足踏みし続けてきた失策の結果に過ぎないのだ。

限界を迎える円安と「金利差」の縮小

さらに言えば、1ドルが170円、180円といった破滅的な円安へと、この先も際限なく進んでいくような事態にはならない。なぜなら、為替相場を決定づけている最大の要因は「日米の実質政策金利の差」だからだ。 近年、アメリカの金利が極めて高く、日本が低かったために資金がドルへと集中した。しかし今後は、アメリカが段階的な利下げ局面に入り、対する日本は経済回復に合わせて緩やかな利上げを進めていく。両国の実質的な金利差が縮小していけば、やがて円安のトレンドは終焉を迎え、円高方向へと転じる局面が必ず訪れる。

積極財政が導く「強い円」への反転

何より、現在の政権が推し進める「積極財政」こそが、長期的には円の価値を高める強力な原動力となる。 一部には、積極財政が財政不安を招き円売りを加速させているという誤解がある。しかし経済学の「マンデル・フレミング効果」が示す通り、国が財政出動で内需を拡大させれば、将来の金利上昇期待が高まり、本来その国の通貨は買われて高くなる。現在はアメリカの巨大な財政支出によるドル高圧力が勝っているが、日本の内需が力強く回転し始めれば、必ず「強い円」は戻ってくる。悲観論に惑わされず、投資で経済のパイを広げることこそが、私たちが真の豊かさを取り戻す絶対条件といえる。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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