政治・経済

国会議員削減の罠。あなたの一票が消える日

taka

人口比で少なすぎる日本の国会議員

人口10万人あたりの国会議員数が他国に比べて少ない日本において、なぜかさらなる「定数削減」が議論されている。アメリカを引き合いに出して日本はまだ多いと主張する声もあるが、あちらは連邦国家であり、各州政府の権力が日本の都道府県とは比較にならないほど強大だ。国家の前提が全く違うのである。にもかかわらず、議員を減らすことに賛同する空気が日本には蔓延している。しかし、その議論の裏に潜む「比例代表の削減」という本当の罠に気づいている人は少ない。

イギリス式「小選挙区」のまやかし

現在の日本では、定数削減の名のもとに衆議院の「比例区」を減らし、イギリスのような「完全小選挙区制」に近づけようとする危険な動きがある。「イギリスでうまくいっている」という声もあるが、数字を見れば実態は全く異なる。イギリスの1小選挙区あたりの有権者数は約7.4万人。対する日本は約22.3万人と、実に3倍に上る。つまり、同じ小選挙区制であっても、日本の場合はイギリスの3倍も有権者の声が国政に届きにくい、いびつな仕組みになっているのだ。

死に票が量産される日本のシステム

有権者数に対して小選挙区の数が少なすぎる日本では、必然的に大量の「死に票」が発生する。人々の価値観が多様化し野党が分裂すれば、たとえば20%ずつの得票で並んだ際、わずか21%の票を得た政党がその選挙区の議席を独占してしまう。これが、日本における小選挙区制の冷酷な現実である。事実、本家であるイギリスでさえ、移民問題や地域ごとの価値観の多様化によって政党の勢力図が激変し、旧来の小選挙区制の限界が露呈し始めているのが現状である。

議員削減は「権力独占」へのカウントダウン

多様化する社会において、幅広い民意をすくい上げるはずの比例区を減らすことは、一部の勢力による独り勝ちを加速させるだけである。死に票が増えれば人々の政治への無関心が進み、投票率はさらに低下し、日本の民主主義は深刻な危機に突入するだろう。そして何より、国会議員の数を減らすということは、裏を返せば「残った議員一人あたりの権力が強大化する」という重大な事実を見逃してはならない。私たちは、それほどまでに彼らに権力を集中させ、心から信用できるのだろうか。少なくとも私には到底できないといえる。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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