人生は予想外の困難に満ちています。病気や事故、失業、さらには人間関係の破綻。ときに「もう終わりだ」と思えるほどの逆境に直面することもあります。しかし、それでも前に進むことは可能です。
古代ローマの哲学者ムソニウス・ルフスは『清談』でこう述べています。
「たとえ追放の目に遭っても、人が自らを鍛え、美徳を備えるうえで障害にはならない」
これは「外的な状況に左右されるのではなく、内面を磨くことはいつでもできる」というストア派の核心を表す言葉です。
ルーズベルトの「それでもやれる!」
アメリカ合衆国の元大統領セオドア・ルーズベルトも、晩年に大きな試練を経験しました。手術の結果、車椅子で残りの人生を過ごさなければならないかもしれないと宣告されたのです。しかし彼はこう答えました。
「大丈夫! それでもやれるぞ!」
この言葉は、逆境に屈するのではなく、それを抱えたままでも進んでいこうという強い意志を示しています。
ムソニウス・ルフスの追放と哲学
ムソニウス・ルフス自身も三度の追放を経験しました。ネロ帝とウェスパシアヌス帝によって故郷を追われ、住処や生活の基盤を失いました。しかし彼は哲学の探究をやめることなく、逆境の中でも弟子たちに教え続けました。その中には、のちにストア派を世界に広めたエピクテトスも含まれていたのです。
つまり、住む場所を奪われ、自由を制限されてもなお、彼は「大丈夫! それでもやれるぞ!」という精神で歩み続けたのです。
逆境を学びの機会に変える
困難な状況は、多くの場合、特別な学びの機会を与えてくれます。たとえ望んでいないものであっても、そこから得られる気づきや強さは人生の糧となります。
- 病気は健康のありがたさを教えてくれる。
- 失敗は次の挑戦への知恵をくれる。
- 喪失は人とのつながりの大切さを教えてくれる。
逆境は痛みを伴いますが、それでも私たちを成長させる力を秘めているのです。
まとめ
ムソニウス・ルフスとルーズベルトが教えてくれるのは、「何があっても学びと成長は止められない」ということです。外的な環境はコントロールできませんが、心の姿勢は自分で選べます。だからこそ、どんな苦難の中でも「それでもやれる」と胸を張って言える人生を目指しましょう。