なぜ日本で“付加価値税”ではなく“消費税”なのか?財界と税制の裏側
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Taka Knowledge Output
国家の真の豊かさとは、政府の借金の少なさではない。国民が必要なモノやサービスを自国で生み出す「供給能力」の高さである。しかし日本は過去30年、「将来世代にツケを残さない」という美名のもと、未来への投資を極端に怠る緊縮財政を続けてきた。その結果生み出されたものこそが、今の日本を覆う「本当の将来世代へのツケ」である。
第一のツケは、インフラの老朽化である。高度経済成長期に作られた橋や水道管は更新期を迎えているが、予算削減で修繕が追いつかず、全国で陥没などが相次いでいる。利益が出ないインフラ整備は、政府が赤字を背負って投資するしかない。「公共事業はムダ」という声に押されて地方は切り捨てられ、災害に対する国土の弱さはかつてなく増している。
第二のツケは、科学技術力と人材投資の衰退だ。「選択と集中」の名で基礎研究の予算が削られ、優秀な研究者は海外へ流出した。日本から世界的な革新企業が生まれなくなったのも、イノベーションへの投資を絞った結果といえる。さらに、食料やエネルギーの自給率も極めて低く、実質的な食料自給率は一桁台とも言われ、国家の安全保障は深刻な危機に瀕している。
これらの過ちを後押ししたのは、経済指標の意図的な誤用である。潜在成長力を低く見積もることで、財政出動の必要性をかき消してきた。お金は単なる手段に過ぎず、真の経済力とは国民の労働力や技術、インフラそのものである。今こそ財政破綻の恐怖から脱却し、科学技術や教育、インフラへの投資を抜本的に拡大する。それこそが、日本の供給能力を根底から再構築する唯一の道である。