自己啓発

エピクテトスに学ぶ「曇りなき精神の七つの働き」──心を守り、正しく生きるために

精神の正しい働きとは?

「精神の正しい働きというのは、選択すること、拒否すること、切望すること、忌避すること、準備をすること、目的をもつこと、同意すること、から成る。」

古代ギリシャの哲学者エピクテトスは『語録』でこのように語りました。彼にとって人間の精神は、ただ思考するだけではなく、生き方を方向づけるための力でした。そしてこの力が正しく働くとき、人は心の平静と自由を得られるのです。

では、エピクテトスが挙げた七つの働きを、現代の私たちの生活に置き換えてみましょう。


1. 選択 ― 正しく考え、行動する

毎日の小さな選択が、人生全体を形づくります。ストレスに流されず、理性に基づいた選択を重ねることが、健全な精神の第一歩です。
:怒りに任せて言葉を投げるのではなく、一呼吸置いて冷静に対応する。


2. 拒否 ― 誘惑を退ける

誘惑そのものを消すことはできません。しかし「これは本当に自分の価値観に合っているのか」と問い直すことで、無駄な衝動に振り回されなくなります。
:SNSの無限スクロールをやめ、読書や休養に時間を使う。


3. 切望 ― 向上しようと願う

現状に満足するのではなく、「少しでもよくありたい」と願うこと。これは成長を続けるエネルギーになります。
:資格の勉強を始める、体力をつけるための運動習慣を持つ。


4. 忌避 ― 悪い影響を遠ざける

心を曇らせる要因を避ける勇気も必要です。悪い環境や虚偽の情報から距離を置くことが、精神の健全さを保ちます。
:否定的な言葉ばかり投げかける人との関係を最小限にする。


5. 準備 ― 未来に備える

人生は予測不能です。しかし「起こり得ること」に備えることで、不安に飲み込まれず冷静に対応できます。
:計画を立てる、経済的な備えをする、心の準備を整える。


6. 目的 ― 人生の指針を持つ

日々の行動が大きな目的につながっているとき、人は迷いません。自分にとって最も大切な価値観や目標を定めることが、精神の羅針盤となります。
:「健康を第一にする」「家族との時間を最優先する」など、軸を明確にする。


7. 同意 ― 現実を受け入れる

最後に大切なのは「自分にできること」と「できないこと」を見極め、受け入れることです。特に自分の力が及ばない外的な出来事に対しては、抗わずに認める姿勢が必要です。
:天候や他人の態度に苛立つのではなく、それを受け入れて次の行動を考える。


七つの働きがもたらすもの

エピクテトスは「精神を汚し、損なうのは歪んだ判断だ」と警告しました。つまり七つの働きを意識すれば、判断を誤らず、心の曇りを防げるということです。

  • 選択と拒否で「行動の質」を高める
  • 切望と忌避で「心の方向性」を整える
  • 準備と目的で「未来への備え」を固める
  • 同意で「心の平静」を守る

このバランスがとれてこそ、精神は曇りなく澄んだ状態を保てます。


まとめ

エピクテトスが説いた「精神の七つの働き」は、2000年経った現代でも有効です。

  • 選択する力
  • 拒否する勇気
  • 切望する意志
  • 忌避する判断
  • 準備する知恵
  • 目的を持つ羅針盤
  • 同意する受容力

これらを日常に取り入れれば、心を曇らせるものを遠ざけ、より自由で平穏な人生を歩むことができるでしょう。

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taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。