自己啓発

持ちものを減らすと心はどう変わる?セネカの知恵に学ぶ「少ないもので生きる力」

持ちものを減らすことは「不安への備え」

「次のことに慣れよ。食事は宴にせず、抱える奴隷は減らし、衣服はその本来の目的にのみ着用し、住居はなるべく質素にすること」

これは古代ローマの哲学者セネカの言葉です。彼は贅沢を避け、少ないもので暮らすことを「心の平静」を守る訓練と考えていました。

なぜなら、人生は予期せぬ変化の連続だからです。仕事の成功も資産も、人間関係も、時にあっけなく失われます。世界的な小説家シュテファン・ツワイクが、ヒトラーの台頭によって人生を破壊されたように、運命は容赦なく人を振り回します。

私たちの日常でも、病気や事故、災害、経済的なトラブルなど、いつ何が起こるかわかりません。そんな時、「少ないもので生きる練習」をしていれば、失った時の衝撃を和らげることができます。

「少なく生きる」ことの3つの効果

1. 不安に強くなる

多くを持つほど、失うことへの恐れも大きくなります。逆に「必要最低限で十分」と知っていれば、環境の変化にも柔軟に対応できます。

2. 判断力が磨かれる

持ちものが少なければ、何を選ぶかに集中できます。服や道具が厳選されていれば、迷う時間が減り、本当に大切なことにエネルギーを使えるようになります。

3. 心の余白が生まれる

物が減ると、生活空間が整い、心も静かになります。「これがなくても大丈夫」と思えることは、精神的な自由を広げることにつながります。

今日からできる「少ないもので暮らす」練習

セネカが説いたのは、いきなり全てを手放すことではなく、「少ないもので過ごす訓練」を日常に取り入れることです。例えば:

  • 一日だけ財布に必要最低限のお金だけを入れて過ごす
  • 1週間、同じ数着の服だけで生活してみる
  • スマホの使用時間を半分にしてみる
  • 冷蔵庫の中身を減らして、あるもので工夫して料理する

これらは小さな挑戦ですが、「意外とこれで足りる」と実感できれば、心の安定につながります。

失う前に、「持たない」力を育てる

年齢を重ねれば体力や気力は少しずつ減っていきます。お金や地位も、永遠に保証されるものではありません。だからこそ、「少なくてもやっていける」という自信を身につけることが、人生最大の備えになるのです。

持ちものを減らすことは、単なる節約や流行のミニマリズムではなく、未来の不安に対抗する「心の防具」です。

今日から一日、少し減らした生活を試してみましょう。その小さな実践が、あなたの心をしなやかに強くしてくれるはずです。

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taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。