膝窩部の圧痛点を理解する:解剖学的特徴と臨床での触診ポイント
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Taka Knowledge Output
距腿関節は、脛骨・腓骨・距骨によって構成される蝶番関節です。脛骨の下関節面(天蓋)、内果・外果の関節面が「ほぞ穴(mortise)」を形成し、そこに距骨滑車(tenon)がはまり込むことで強固な安定性が得られます。
この関節面の面積は約350mm²と非常に狭く、股関節(約1100mm²)や膝関節(約1120mm²)と比べても小さいのが特徴です。その限られた面積で全体重を支えているため、構造的な安定性が求められます。
特に背屈位では距骨が深くはまり込み、優れた安定性が発揮されます。これにより立位や歩行中の身体支持が可能となります。
このように、外果と内果はそれぞれ形態的特徴を持ち、靭帯や腱の付着・滑走に重要な役割を果たしています。
距腿関節の安定には、遠位脛腓関節の働きが欠かせません。
遠位脛腓関節は、靭帯や骨間膜により強固に補強され、距腿関節と一体となって荷重を支えます。臨床では距腿関節と併せて「足関節」として扱われることが多いです。
距骨は足根骨の最上位に位置し、距腿関節を構成します。
距骨は筋の付着を持たず、靭帯と関節面のみで支持される特殊な骨であるため、微妙な骨形態の違いが関節運動に大きく影響します。
距腿関節は、脛骨・腓骨・距骨がほぞ穴構造を成すことで安定性を確保しつつ、背屈・底屈の可動性を担う関節です。
臨床で足関節を評価・治療する際には、こうした解剖学的特徴を理解し、靭帯損傷や拘縮、可動域制限の背景にあるメカニズムを捉えることが大切です。