政治・経済

アベノミクスは「未完」だった?失敗の真因

taka

アベノミクス、本当の評価

安倍元総理が掲げた経済政策「アベノミクス」。金融緩和、財政出動、成長戦略という「3本の矢」はあまりにも有名である。実際に1年目は、第1の矢である金融緩和と、第2の矢である財政出動が放たれ、日本経済は確かに上向き始めたといえる。

しかし、世間で言われる「アベノミクスは失敗した」という評価は、少し正確ではない。正しくは、「まだ始まってもいない段階で終わってしまった」のである。

途絶えた第2の矢と消費税の壁

最大の誤算は、第2の矢である「機動的な財政出動」がわずか1年で止まってしまったことにある。景気が回復基調に乗った矢先、政府は財政の黒字化を優先し、消費税増税に踏み切った。これが経済のブレーキとなったのだ。

本来、デフレからの脱却には、日銀がお金を刷るだけでは不十分である。企業が設備投資を控え、内部留保を増やす中で、お金を実体経済に回すには国が動くしかない。具体的には、減税や社会保険料の引き下げ、あるいは給付金などを通じて、GDPの6割を占める「個人消費」を底上げする必要があった。しかし、政府は逆に国民の負担を増やす緊縮財政へと舵を切ってしまったのである。

第3の矢が招いた格差

そして、第3の矢「成長戦略」にも構造的な問題があったといわざるを得ない。これは実質的に新自由主義的な改革であり、株主利益の最大化を企業に求めるものであった。

結果として何が起きたか。企業は利益を配当に回すようになり、働く人々の賃金は抑制された。確かに雇用者数は増えたが、その多くは低賃金の非正規雇用であり、女性や高齢者が生活のために働かざるを得ない状況が数字を押し上げていた側面がある。「仕事はあるが、生活は豊かにならない」という現象は、ここから生じている。

必要なのは「家計」への投資

アベノミクスに本当に必要だったのは、第3の矢のような構造改革ではなく、第1・第2の矢の徹底的な継続だったといえる。

企業や富裕層ではなく、一般庶民の家計を温めること。消費の現場にお金が行き渡る政策を続けていれば、日本経済は今とは全く違う景色を見ていただろう。過去の政策を冷静に解剖し、「なぜ賃金が上がらないのか」という問いに向き合うことこそが、これからの日本を再生させる鍵になるはずである。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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