リハビリにおける患者教育の重要性:姿勢修正とモーターコントロールの実践
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Taka Knowledge Output
膝前部痛は臨床で頻繁に遭遇する症状の一つです。その原因は多岐にわたりますが、圧痛点を正確に評価することは疼痛源を特定する上で不可欠です。
膝蓋骨周囲や鵞足腱付着部、内側関節裂隙には数多くの圧痛点が存在しますが、その中でも**最も好発するのは膝蓋下脂肪体(IPF)**です。IPF性疼痛を的確に評価するためには、圧刺激の方法と関節肢位による違いを理解することが重要です。
膝関節を伸展すると、IPFは前方に押し出されるため「逃げ場」を失い、圧刺激を確実に加えることができます。したがって、膝前部痛の圧痛評価を行う際は、伸展位での圧迫が最も有効です。
膝関節を屈曲すると、IPFは後方(十字靭帯側)へ逃げるスペースが確保されます。このため、屈曲位ではIPFへの直接的な圧刺激は困難となり、圧痛所見を正しく評価できません。
もし膝関節を屈曲させても圧痛が認められる場合、それはIPF由来ではない可能性が高いと考えられます。
屈曲位で圧痛を呈する場合に考慮すべき組織は以下の通りです。
これらの組織は屈曲位でも圧迫刺激を受けやすいため、鑑別の参考になります。
膝前部痛を呈する患者に対しては、以下の手順で圧痛点を確認すると有効です。
IPFは膝関節の滑走や衝撃吸収を担う重要な組織ですが、炎症・瘢痕化・不安定性などによって疼痛源となりやすい部位です。
臨床では「膝前部痛=IPF性疼痛」と短絡せず、伸展位・屈曲位での圧痛差を確認することが重要です。
膝前部痛の評価において圧痛点の確認は重要です。
セラピストは圧痛点の評価を適切に行い、疼痛の正確な鑑別と治療戦略の立案につなげる必要があります。