自己啓発

『世界で進む「反グローバリズム」の潮流──国家と人権をめぐる新たな対立』

taka

グローバリズムへの反撃が始まった

いま、世界各地でグローバリズムとリベラリズムへの反発が広がっている。
「国境を越えてモノ、サービス、資本、そして人の移動を自由にすることが善である」──これがグローバリズムの基本的な教義である。だが、その中で最も大きな議論を呼んでいるのが、「人」の移動、すなわち移民の自由化だ。

各国で移民受け入れが進んだ背景には、企業経営者による「安価な労働力」への欲求がある。人件費を抑え、利益を拡大したい経営者たちが、外国人労働者という“労奴”を求めてきたのである。
しかし、それを正面から語ることはできない。だからこそ、「人権の尊重」や「多文化共生」といったリベラリズムの言葉で、その動きを正当化してきた。

リベラリズムという偽善のベール

「すべての人間の人権は守られなければならない」──この主張そのものは否定できない。
だが、その背後にあるのは、経済合理性と自己陶酔が入り混じった構造である。
経営者は「安く使える労働力」を求め、リベラリストは「不法移民にも優しい自分」を誇示する。こうしてグローバリズムとリベラリズムは結託し、現実の国民生活を圧迫してきた。

権利とは、神が与える普遍的なものではない。共同体、すなわち国家が構成員に対して認めるものだ。日本国民の権利を守るのは日本国であり、外国人の権利を守るのは本来、その母国である。
「国籍」が権利の基盤であるという単純な原則が、リベラリズムの言葉によって曖昧にされている。

欧米で高まる反グローバリズムの波

こうした構造に対する反発が、いま世界各地で噴き出している。
アメリカでは不法移民問題をめぐる分断が深まり、ヨーロッパでも反グローバリズム勢力が台頭している。
2025年5月のイギリス地方選挙では、ナイジェル・ファラージ率いる「リフォームUK」が大躍進。17世紀以来の二大政党制を揺るがす勢いだ。
一方ドイツでは、「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進し、政府は同党を“過激派”と認定。だが、その理由は「民族性を重視する姿勢が自由主義に反する」という抽象的なものにすぎない。

「国家」と「人権」をめぐる再定義

こうして、国家の主権と個人の人権の境界が、再び問われ始めている。
グローバリズムが掲げてきた「国境なき世界」は、理想ではなく、現実の混乱を生み出している。
いま、各国の国民が直面しているのは、「人間の尊厳」と「国家の責任」をいかに両立させるかという根源的な問いである。
世界が向かうのは、リベラリズムの理想でも、排外主義の暴走でもない。自国の共同体を守りつつ、他国との共存を模索する“新しい均衡点”だといえる。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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