成長しない人とかかわるな――箴言23章9節に学ぶ「関係を見極める勇気」

成長しない人とかかわるな――時間を無駄にしないための知恵

聖書の箴言23章9節には、次のような厳しい言葉があります。

「愚かな者に語るな。彼はあなたの賢い言葉をさげすむからだ。」（箴言23:9）

一見、冷たく聞こえるこの言葉。
しかし、これは“人を切り捨てろ”という意味ではありません。

むしろ、**「あなたの大切な時間とエネルギーを、真に価値ある人のために使いなさい」**という知恵の勧めなのです。

1. 「愚かな人」とは、学ぶ姿勢を失った人

ここで言う“愚かな人”とは、知能が低い人ではなく、学ぶ心を持たない人のことです。

どれだけ親切に助言しても、聞く耳を持たず、
「自分は正しい」「他人の話など必要ない」と思っている人。

このような人は、他者の善意や忠告を受け取ることができず、
結果として、成長のチャンスを自ら閉ざしてしまいます。

聖書の“愚かさ”とは、知識の欠如ではなく、謙虚さの欠如なのです。

2. 助言が通じない相手に時間を費やすのは無駄

箴言23章9節が教えるのは、
「どんな相手にも全力で尽くすことが正しいとは限らない」という現実です。

人を思って助言をするのは素晴らしいことですが、
その努力が実を結ぶのは、**「学ぶ意欲のある人」**に対してのみです。

いくら良いアドバイスをしても、聞く側にその気がなければ意味がありません。
むしろ、そのような相手に関わり続けると、
あなた自身が疲弊し、時間を奪われ、やる気を失ってしまいます。

あなたの時間と心は有限です。
だからこそ、「誰に力を注ぐか」を選ぶ勇気が必要なのです。

3. 「見限る」ことは冷たさではなく、知恵である

「関わるのをやめる」と聞くと、冷たい印象を持つかもしれません。
しかし、これは感情的な拒絶ではなく、知恵による判断です。

成長しない人に固執することは、
あなたが本来助けられる“成長できる人”を見捨てることにもつながります。

「無駄な土を耕すよりも、育つ土に種をまけ」

リーダーや教育者であればこそ、
本当に変わろうとしている人に力を注ぐことが、愛のある選択なのです。

4. 「学ぶ人」と「学ばない人」の違い

成長する人としない人の違いは、ほんの小さな姿勢に現れます。

箴言は、「知恵ある者に語れば、彼はますます賢くなる」とも述べています（箴言9:9）。
つまり、学ぶ姿勢のある人には、助言が倍の価値を生むということです。

5. あなたの助言を大切にしてくれる人を見つけよう

「成長しない人に関わるな」という教えの本質は、
“関係を切ること”ではなく、“関係を選ぶこと”にあります。

あなたが費やす時間や言葉が、相手の心に届いているか？
それを見極めることが、成熟した人間関係の第一歩です。

たとえば、

• 素直に耳を傾ける人
• 失敗を認めて行動を変えようとする人
• 感謝を言葉で表せる人

こうした人こそ、あなたの助言を糧に成長していくでしょう。
そういう人にこそ、時間と愛情を注ぐべきです。

6. 自分自身も“学び続ける側”でありたい

この教えはまた、私たち自身への警告でもあります。

もし誰かが自分のために時間を割き、真剣に助言をくれるなら、
その人の思いを軽んじてはいけません。

「成長しない人」とは、他人の親切を当たり前と思い、耳を閉ざす人。
そうならないために、常に謙虚に学ぶ心を持ち続けましょう。

まとめ：賢く関わり、心を無駄にしない

箴言23章9節が教える人生の知恵をまとめると、こうなります。

• 愚かな人とは、学ぶ心を失った人のこと
• 助言が通じない相手に時間を費やすのは無駄
• 「関わらない」ことは冷たさではなく、知恵の行使
• あなたの言葉を大切に受け取る人に力を注ぐ
• そして自分自身も、常に学び続ける人であれ

聖書は、厳しくも現実的に語ります。

「愚かな者に語るな。彼はあなたの言葉をさげすむ。」

あなたの言葉と時間は、価値ある資源です。
どうか、それを“成長する人”に注ぎ、
互いに高め合える関係を築いていきましょう。

TAKA

理学療法士/ビール

YouTubeContact

理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。