「仕返し」は毒を飲むのと同じ。相手を打ち負かそうとしてあなたが失うもの
「絶対にこちらの意見を通したい」 「あの人だけには、なにがなんでも負けたくない」
職場やご近所トラブル、あるいは夫婦喧嘩で、こんなふうに**「相手を打ち負かすこと」**に執着してしまった経験はありませんか?
自分の正当性を証明し、相手に「参った」と言わせれば、スッキリするような気がしますよね。 しかし、相手もあなたと同じように「絶対に負けたくない!」と燃えていたら、どうなるでしょうか。
この記事では、『7つの習慣』で紹介されている人間関係の最悪のパターン、**「Lose-Lose(両者負け)」**について解説します。
結論から言うと、頑固な者同士の戦いに「勝者」はいません。 あるのは、お互いがボロボロになる「共倒れ」という結末だけです。
不毛な争いで人生を無駄にしないために、賢く「戦場」から離れる考え方をお伝えします。
似た者同士がぶつかると「事故」になる
まず、人間関係における「勝ち負け」のパターンを整理しましょう。
自分が勝ちたい(Win-Lose)と思っている人が、心が広い相手(Lose-Win)と付き合えば、一時的にはうまくいくかもしれません(長期的には破綻しますが)。
しかし、**「自分が勝ちたい人(Win-Lose)」と「自分が勝ちたい人(Win-Lose)」**が出会ってしまったらどうなるでしょうか?
正面衝突するチキンレース
これは、狭い道路でお互いに「お前が退け!」と言って譲らない車同士のようなものです。 どちらも「自分は正しい、相手が下がるべきだ」と信じて疑いません。
- 気が強い vs 気が強い
- 頑固 vs 頑固
- 自尊心が高い vs 自尊心が高い
この二人がぶつかると、話し合い(Win-Win)や譲歩(Lose-Win)という選択肢は消えます。 残るのは、「どっちが先に潰れるか」という不毛な消耗戦だけです。
結果、二人とも時間、お金、精神力、社会的信用を失い、文字通り「二人とも負ける(Lose-Lose)」ことになります。
裁判で争って、勝ったとしても弁護士費用で赤字になる…なんていうのは、典型的なLose-Loseの例です。
復讐は「両刃の剣」である
Lose-Loseの泥沼にはまると、当初の「利益」や「目的」はどうでもよくなり、感情だけが暴走し始めます。
「相手を殺すことは自分も殺すこと」
二人とも「仕返ししてやる」「この借りは絶対に返すぞ」と復讐心に燃えることになる。
こうなると、目的は「自分が幸せになること」ではなく、**「相手を不幸にすること」**にすり替わってしまいます。
「あいつが損をするなら、自分も損をしていい」 「あいつを引きずり下ろせるなら、自分の評価が下がっても構わない」
これは、**「相手に火傷を負わせるために、自分が真っ赤に焼けた炭を素手で掴む」**ようなものです。 相手に投げる前に、まず自分の手が大火傷を負います。
憎しみや復讐心は、相手を傷つける以上に、**あなた自身の心と人生を深く傷つける「毒」**なのです。
「勝とうとしない」のが一番の勝ち
では、頑固な相手とぶつかりそうになったら、どうすればいいのでしょうか? 答えはシンプルです。**「同じ土俵に乗らない」**ことです。
「No Deal(取引しない)」という選択
相手が「勝ち負け」にこだわって攻撃してきたら、あなたは冷静にこう考えましょう。 「この戦いに参加したら、私もLose(負け)になるな」
そう気づいたら、戦うのでもなく、負けてあげるのでもなく、**「戦わない(No Deal)」**を選択します。
- 議論を打ち切ってその場を離れる。
- 「私たちの意見は合わないようですね」と認めて、距離を置く。
- 相手の挑発をスルーする。
これは「逃げ」ではありません。 共倒れという最悪の結末を避ける、**最も理性的で賢い「自衛」**です。
まとめ・アクションプラン
「あいつを許せない」という執着は、あなたの人生の貴重な時間を食いつぶします。復讐の連鎖を断ち切りましょう。
- 似た者同士は危険: 「絶対に譲らない」者同士の戦いは、必ず「両者負け」で終わる。
- 復讐は自滅: 相手を憎むエネルギーは、ブーメランのように自分に返ってくる。
- 戦わない勇気: 「勝つか負けるか」の世界から降り、「関わらない」という選択肢を持つ。
Next Action: もし今、あなたが誰かに対して「悔しい」「見返してやりたい」とイライラしているなら、一度冷静になって**「その戦いに勝つことで、私は本当に幸せになれるのか?」**と問いかけてみてください。
もし答えが「虚しさが残るだけ」なら、勇気を持って**「負けるが勝ち(=戦わずに自分の人生を楽しむ)」**を選びましょう。 その瞬間、あなたはLose-Loseの呪縛から解放されます。
より深く人間関係の原則を知りたい方は、**『7つの習慣』の「第4の習慣:Win-Winを考える」**を読んでみてください。戦わずに勝つためのヒントが詰まっています。
