「いい人」をやめなさい。コヴィー博士が教える、本当に信頼される人の条件
「あの人は優しいから、厳しいことは言わないだろう」 「あの人は仕事に厳しいから、冷たい人に違いない」
私たちはつい、人を**「優しいか、厳しいか」**のどちらかで判断してしまいがちです。
あなた自身も、「相手を傷つけたくない」という優しさから、言うべきことを飲み込んでしまった経験はありませんか?
実は、世界的な名著『7つの習慣』において、著者のコヴィー博士は衝撃的な事実を述べています。
「Win-Win(自分も勝ち、相手も勝つ)を目指す人は、ただ厳しいだけの人よりも2倍厳しい」
この記事では、本当の信頼関係を築くために不可欠な**「勇気と思いやりのバランス」**について解説します。
これを読めば、「ただのいい人」を卒業し、相手を尊重しながらも自分の意見を堂々と言える「成熟した大人」への第一歩が踏み出せます。
結論から言うと、「優しさ(思いやり)」と「厳しさ(勇気)」は対立するものではなく、両方とも高いレベルで持っていなければならないのです。
「優しい人」と「成熟した人」の違い
多くの人は、「成熟した大人=物わかりが良く、波風を立てない優しい人」だと思っています。しかし、コヴィー博士の定義は違います。
人間的な成熟 = 「勇気」と「思いやり」のバランスが取れていること
この定義が非常に重要なのは、この2つがシーソーの関係ではないということです。「思いやりを増やしたら、勇気を減らさなきゃ」ではないのです。
4つのタイプで考える人間関係
このバランスを図にすると、以下の4つのタイプに分かれます。
- Lose-Win(負けるが勝ちタイプ):
- 思いやり:高 / 勇気:低
- 特徴:「いい人」だけど、自分の意見を言えず、相手に振り回される。
- Win-Lose(俺様タイプ):
- 思いやり:低 / 勇気:高
- 特徴:自分の意見は通すが、相手の気持ちを無視する。独裁的。
- Lose-Lose(共倒れタイプ):
- 思いやり:低 / 勇気:低
- 特徴:相手を妬み、自分も行動しない。
- Win-Win(成熟したタイプ):
- 思いやり:高 / 勇気:高
- 特徴:相手の話を深く理解しつつ、自分の主張も譲らない。
私たちが目指すべきは、もちろん4番目のWin-Winです。 しかし、日本人の多くは1番の「思いやりはあるけど勇気がない」状態になりがちではないでしょうか?
なぜ「2倍厳しい」必要があるのか?
コヴィー博士は、「Win-Winの人は、Win-Lose(俺様タイプ)の人よりも2倍厳しい」と言っています。
これはどういうことでしょうか? 「俺様タイプ」の人は、自分の利益だけを守ればいいので、ある意味で楽です。 しかし、「Win-Winタイプ」の人は、以下の2つを同時に行わなければなりません。
- 相手への配慮(思いやり): 相手の立場や感情を、痛いほど理解して受け止める。
- 自分への誠実さ(勇気): それでもなお、自分の原則や目標を曲げずに伝える。
「あなたの気持ちは痛いほどわかります。しかし、この条件だけは譲れないのです」
このように、相手に寄り添う「優しさ」を持ちながら、結果に対しては「厳しく」こだわる。 この高度なバランス感覚こそが、Win-Winの結果を生むのです。
具体例:部下のミスを叱る時
- 勇気がない上司: 「まあ、次から気をつけてね(本当は困るけど言えない)」→ 問題が解決しない。
- 思いやりがない上司: 「何やってんだ!お前はダメだ!」→ 部下が委縮し、反発する。
- 成熟した上司(Win-Win): 「君がこのプロジェクトに一生懸命だったことは知っているし、その努力には感謝している(思いやり)。 ただ、この数字のミスは会社の信用に関わる重大な問題だ。なぜ起きたのか徹底的に検証して、再発防止策を出してほしい(勇気)」
このように、**「人は肯定し、問題は否定する」**という態度は、高いレベルの勇気と思やりがないとできません。
勇気を鍛えるには?
「思いやり」は持っているけれど、「勇気」が足りない。そんな人はどうすればいいのでしょうか?
コヴィー博士は、**「自信を持って自分の考えを述べる」**ことの重要性を説いています。
勇気とは、相手を攻撃することではありません。 「私はこう思う」「私はこうしたい」という「I(アイ)メッセージ」を伝えることです。
相手の気持ちを察する(空気を読む)能力が高い人ほど、あえて「空気を読んだ上で、自分の意見を置く」練習が必要です。それが、本当の意味で相手を尊重すること(相手を、対等に議論できる人間として扱うこと)につながるからです。
まとめ・アクションプラン
本当の優しさとは、ただニコニコしていることではありません。時には嫌われるリスクを取ってでも、信念を貫く「強さ」が必要です。
- 二者択一を捨てる: 「優しいか、厳しいか」ではない。「優しくて、かつ厳しい(芯がある)」を目指す。
- 成熟の定義: 「高い勇気」と「高い思いやり」の両立こそが、人間としての成熟である。
- Win-Winの条件: 相手を尊重しつつ、自分の意見も堂々と伝えることで初めて、お互いの利益が見つかる。
Next Action 日常の小さな場面で「勇気」を出す練習をしましょう。 ランチの店を決める時、会議の最後、あるいは家庭での会話で。 「相手の意見もいいね(思いやり)。でも、私は今日はこっちがいいな(勇気)」 この「でも、私は」を恐れずに言えるようになった時、あなたの人間関係はより深く、信頼できるものに変わります。
この「勇気と思やり」の概念は、名著『7つの習慣』の中でも特に人生を変えるパワーを持っています。「もっと詳しく知りたい」「自分を変えたい」という方は、ぜひ書籍を手に取って、コヴィー博士の言葉に直接触れてみてください。
