自己啓発

良いリーダーは「ほどほど」を心得ている――箴言25章27節に学ぶバランスの知恵

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良いリーダーは「ほどほど」を心得ている――バランスが信頼を生む

聖書の箴言25章27節には、次のような言葉があります。

「蜂蜜を食べすぎるのはよくない。自分の栄光を求めすぎるのもよくない。」(箴言25:27)

蜂蜜は健康にも良く、エネルギー源として役立つものです。
しかし、どんなによいものであっても、過剰になれば体を壊してしまう。

この一節は、古代の知恵を通して、**「何事にも節度を持つこと」**の大切さを教えています。
リーダーにとっても、節度(バランス感覚)は信頼と人間関係を築くうえで欠かせない要素です。


1. 「やりすぎ」は善意でも害になる

蜂蜜のように、もともと良いことでも、やりすぎると逆効果になる――これがこの箴言の中心的なメッセージです。

リーダーとしての働きも同じです。
褒めすぎる、厳しすぎる、干渉しすぎる、自己主張しすぎる……。
どれも一見「良いリーダーの特徴」に見えますが、過度になるとチームのバランスを崩します。

  • 褒めすぎると、相手はお世辞と受け取り、信頼が薄れる
  • 厳しすぎると、部下は挑戦を恐れる
  • 干渉しすぎると、主体性が奪われる
  • 自己主張が強すぎると、周囲の声が聞こえなくなる

善意が行き過ぎると、善でなくなる。
これこそ、「蜂蜜を食べすぎる」ことの現代的な意味なのです。


2. 褒めることにも“適量”がある

箴言25章27節の「蜂蜜」は、比喩的に「誉れ(ほまれ)」や「褒め言葉」を指しています。
つまり、「褒めること」は確かに良い行いですが、度が過ぎると相手を甘やかす結果になります。

リーダーは、部下を褒めることで成長を促す責任があります。
しかし、それは“成果”や“努力”に対して誠実に行われるべきものであり、
機嫌を取るための過剰な称賛ではありません。

適切なタイミングで、具体的に、真心を込めて褒める。
その「ほどほどの褒め方」が、人を健全に伸ばします。


3. 謙遜を忘れたリーダーは信頼を失う

箴言の後半では、「自分の栄光を求めすぎるのもよくない」とあります。
これは、リーダーが自分の評価や地位に執着する危険性を警告しています。

リーダーは成果を求められる立場にありますが、
それが「自分を良く見せたい」という動機に変わると、
本来の目的である“チーム全体の成長”から逸れてしまいます。

成功を誇るよりも、感謝を忘れず、功績を仲間と分かち合うこと。
その謙虚さが、長く信頼されるリーダーをつくります。


4. 節度のあるリーダーは、人を安心させる

“ほどほど”を心得たリーダーは、周囲に安心感を与えます。
なぜなら、極端な言動がなく、安定した判断と態度を保てるからです。

部下は、上司の機嫌や言動の波に敏感です。
そのため、リーダーが感情的・過剰・自己中心的になると、チーム全体が不安定になります。

一方、節度あるリーダーは、どんな状況でも落ち着き、冷静に対応します。
「この人なら大丈夫」と思われる存在感――
それこそが、リーダーにとって最も大切な信頼の源です。


5. 「ほどほど」を保つ3つの実践法

日常の中で“ほどほど”を意識するために、次の3つを心がけましょう。

① 客観的に自分を見る
感情や勢いで判断する前に、「今の自分はやりすぎていないか?」と一呼吸置く。
冷静な自己観察が、バランスを保つ第一歩です。

② 人の声を聞く
自分の感じ方だけでなく、周囲の反応に耳を傾ける。
他者の視点は、行き過ぎを修正してくれる鏡になります。

③ “目的”を見失わない
リーダーの目的は、褒めることでも、厳しくすることでもなく、人を成長させること
目的を意識すれば、自然と行動の加減が整います。


6. 「ほどほど」は弱さではなく、成熟の証

“ほどほど”という言葉には、どこか中途半端な印象がありますが、
実際にはそれは成熟した強さの表現です。

何事も「やりすぎ」や「求めすぎ」に傾くのは簡単です。
しかし、節度をもって行動を選ぶには、冷静さと知恵が必要です。

リーダーとして長く信頼を得る人は、
自分を抑え、状況に応じて最適な“ほどほど”を見極める人。

その姿勢こそが、人を安心させ、チームを前に進める原動力となります。


まとめ:ほどほどの中に、真のリーダーシップがある

箴言25章27節が教えるリーダーの心得をまとめると、こうなります。

  • どんなに良いことでも、やりすぎは逆効果
  • 褒めるにも、厳しくするにも“適量”がある
  • 自分の栄光より、他者の成長を喜ぶ
  • 節度ある行動が、人の信頼を生む
  • 「ほどほど」は、成熟と知恵のあかし

蜂蜜のように甘いものも、ほどほどなら力になる。
リーダーもまた、バランスを保つことで、人を健やかに育てる存在になれるのです。

「蜂蜜を食べすぎるのはよくない。」(箴言25:27)

よいリーダーとは、甘さも厳しさも“ちょうどいい塩梅”で与えられる人。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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