人生を変える「本当に大切なもの」の見つけ方。コヴィー博士に学ぶ迷わない生き方
「毎日仕事に追われて、気づけば一年が終わっている」 「頑張っているはずなのに、どこに向かっているのか分からない」
ふとした瞬間に、このような虚しさを感じることはありませんか? それは、あなたが人生という長い旅路において、**「目的地(本当に大切なもの)」**を見失ったままアクセルを踏み続けているからかもしれません。
この記事では、『7つの習慣』の中でも特に重要な「第2の習慣:終わりを思い描くことから始める」について解説します。 理学療法士として多くの患者さんを見てきましたが、リハビリが成功する人は「ただ歩けるようになりたい」ではなく、「孫と公園に行きたい」という**明確なイメージ(目的)**を持っています。
結論をお伝えします。人生を劇的に変えるために必要なのは、気合や根性ではなく、あなたの脳内に「理想のゴールの映像」を焼き付けることなのです。
人生の「設計図」を持っていますか?
家を建てる時、いきなりトンカチで柱を打ち付ける大工さんはいませんよね。まずは詳細な「設計図」を描くはずです。 しかし、私たちは自分の人生となると、なぜか設計図なしで、いきなり走り出してしまいます。
コヴィー博士はこう述べています。
「自分にとって本当に大切なものを知り、それを頭の中に植えつけ、そのイメージどおりになるように日々生活していれば、私たちの人生はまるで違ったものになるはずだ」
梯子(はしご)を掛け違えていないか
一生懸命に梯子を登って、ようやく屋上にたどり着いたと思ったら、「登るべきビルは隣だった」と気づく。これほど悲しいことはありません。
- 昇進のために家族を犠牲にした結果、定年後に家庭崩壊していた。
- お金を稼ぐために健康を犠牲にした結果、病気で遊べなくなった。
これらはすべて、「本当に大切なもの(設計図)」を確認せずに、ただ目の前の梯子を登ること(活動)に没頭してしまった結果です。
すべてのものは「2度」つくられる
コヴィー博士は、「すべてのものは2度つくられる」と言います。
- 第一の創造(知的創造):頭の中でイメージすること(設計図)
- 第二の創造(物的創造):実際に形にすること(建築)
多くの人は、第一の創造(イメージ)をおろそかにして、いきなり第二の創造(行動)を始めようとします。だから迷うのです。
「それを頭の中に植えつけ」
まずは、あなたの人生の最後をありありと想像し、設計図を完成させてください。「どんな人間として記憶されたいか?」「何を成し遂げたいか?」 このイメージが脳内にしっかり植え付けられていれば、今日という一日の過ごし方は、自動的に変わるはずです。
リハビリ現場で見る「イメージの力」
私が担当したある患者さんは、骨折して「痛いから動きたくない」と塞ぎ込んでいました。 しかし、「来月、娘さんの結婚式でヴァージンロードを一緒に歩くんですよね?」と問いかけ、そのシーンを具体的にイメージしてもらった瞬間、彼の目の色が変わりました。
「痛くても頑張る」という強い意志が生まれたのです。
「そのイメージどおりになるように日々生活していれば」
脳内のイメージが明確であればあるほど、日々の辛い努力も「喜び」や「必要なプロセス」へと変わります。これがイメージの持つ本当の力です。
まとめ・アクションプラン
今回の記事のポイントは以下の3点です。
- 人生を劇的に変えるには、行動する前に「設計図(本当に大切なもの)」が必要である。
- 「梯子の掛け違い」を防ぐために、まずゴール(終わり)を思い描く。
- 脳内に鮮明なイメージがあれば、日々の行動や判断基準は自然と変わる。
忙しい日常の中で、私たちはつい「緊急なこと」に追われて「大切なこと」を忘れてしまいます。だからこそ、意識的に立ち止まる時間が必要です。
Next Action:自分の「葬儀」を想像してみる
少しショッキングかもしれませんが、コヴィー博士が推奨する最強のワークがあります。 **「自分の葬儀で、参列者(家族、友人、同僚)に何と言って弔辞を読んでもらいたいか?」**を想像し、書き出してみてください。
「仕事熱心だった」と言われたいか、「優しいパパだった」と言われたいか。 そこで出てきた言葉こそが、あなたにとっての**「本当に大切なもの」**です。
この「終わりを思い描く」習慣について、より深く実践したい方は、**『7つの習慣』**をガイドブックとして活用してください。自分の人生の憲法(ミッション・ステートメント)を作るための具体的なヒントが得られます。
