仲のよい夫婦はなぜ健康なのか──幸田露伴『努力論』が語る、愛と健康の深い関係
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長い歴史の中で、「人は生まれながらに罪を背負っている」という思想が人類を縛ってきました。しかし、ストア派の哲人ムソニウス・ルフスはまったく逆の視点を提示します。
「人間は生まれつき、美徳に惹かれる生き物である。」
もし人間が互いに助け合い、慈しみ合う存在でなければ、私たちはひとつの種として生き残ることなどできなかったでしょう。つまり、人間の本性は善に根ざしているのです。
ルフスはさらにこう述べました。
「われわれは皆、過ちを犯さず、気高く生きるように作られた。できる者とできない者がいるのではない。誰にでもできるのだ。」
つまり、善く生きることは「特別な才能を持つ人だけのもの」ではなく、誰にでも与えられた能力です。
では、なぜ人は道を誤るのでしょうか?
それは堕落した本性のせいではなく、間違った習慣や考えを身につけてしまったからです。
セネカは「哲学とはそれをすっかりはぎ取る手段だ」と述べました。哲学は新しい自分をつくるための学問ではなく、本来の自分を取り戻すための学問なのです。
ストア哲学は子どもでも理解できるほどシンプルで、常識とも一致します。ところが、それと衝突するのが社会のシステムです。
こうした仕掛けが「善への本性」を曇らせ、私たちを迷わせます。だからこそ、哲学によって「余計なものを取り除く作業」が必要なのです。
では、今日から何ができるでしょうか?
こうした実践は、特別な努力というより「自分に戻る」作業です。
ムソニウス・ルフスとセネカの言葉が教えてくれるのは、次の真理です。
君はすでに善い人間に生まれついている。必要なのは、それを信じ、日々の行動で実践することだけです。