飲み会の正解はどれ?ビジネス書100冊に見る“酒との付き合い方”がカオスすぎた話
大人になれば、酒は避けられない
社会に出てしばらく経つと、飲み会は仕事にも人生にもつきものになる。
気の合う仲間との酒は楽しいが、翌日の不快感はつらいものだ。
そして僕自身、編集者にタダ酒を何度も奢ってもらった結果、無茶なスケジュールを引き受けてしまい、今まさに締切に追われている。
そんな複雑な存在である「酒」と、どう付き合うべきか。
ビジネス書100冊を読み漁ったところ、ここでも例によって教えはカオスだった。
教え①:寝る前にウォッカを飲んで上質な睡眠を得る
『スタンフォード式 最高の睡眠』には、衝撃的なエピソードが載っている。
オペラ歌手の多くは寝る前にウォッカを飲んで眠る
舞台の興奮で脳と体が覚醒してしまい、普通の方法では眠れないらしい。
そこで、強めのアルコールで一気に緊張を緩め、深い眠りに入る──というわけだ。
本書の流れからすると、これは
「パフォーマンスのために酒を上手に使うべき」
というメッセージにつながる。
もちろん飲みすぎはNGだが、少量のお酒が役立つシーンもある、という立場だ。
教え②:泥酔してイベントに登壇しろ
しかし、同じ「酒との付き合い方」でも、まったく真逆の教えもある。
『死ぬこと以外かすり傷』の箕輪厚介氏だ。
彼はなんと、
ホリエモンとの対談イベントに泥酔状態で登壇した
偉い人との会食にも泥酔して行く
と堂々と書いている。
理由は「予定調和を壊すため」「こうでもしないと弛緩するから」。
だがこれは、一般人が真に受けるにはハードルが高い。
仮に僕が泥酔してイベントに出たら、周りから「てめえ泥酔してんじゃねぇよ」と思われて終了だ。
箕輪さんだから許されているだけである。
つまり、
この教えを実践できるのは、“死ぬこと以外かすり傷”と思える一部の人のみ。
凡人が真似すると社会的ダメージが大きすぎる。
教え③:1秒たりとも気を抜くな
箕輪氏の真逆をいくのが『一流の気くばり力』である。
大切なクライアントとの飲み会では
1秒たりとも気を抜かない
もはや緊張の頂点。
箕輪氏の自由奔放さとは対照的すぎる。
さらに本書には、著者が居酒屋で部下と飲んでいた時のエピソードが載っているのだが、これがまた強烈だ。
要点をまとめると、
- 外国人カップルが入店
- 著者が英語でメニューを説明し、喜ばれる
- カップルが「同席していい?」と聞く
- 著者は「どうぞ」と返す
- 部下も0コンマ何秒で「どうぞ」と同調
- 著者は「この瞬発力が素晴らしい」と絶賛
- もし部下が先に言ってもNG
- 3秒遅れてもNG
- 言わなくてもNG
……難易度が高すぎる。
これはもはや「一流の気くばり力」というより、
**“著者を怒らせない音ゲー”**である。
こんな飲み会、胃がもたれてしまう。
この2人が飲み会で出会ったら…
箕輪厚介さん(泥酔で会食に行く男)と、
『一流の気くばり力』の著者(0.1秒の気くばりを要求する男)が飲み会で鉢合わせたらどうなるのだろうか。
恐らくこうだ。
- 箕輪氏:ハイボール片手に泥酔で登場
- 気くばり氏:3秒どころか初手で激怒
- 気くばり氏:帰宅後、風呂場に防水テレビを持ち込み、放送禁止用語を叫びながらアンガーログに記録
- 箕輪氏:笑って翌日も泥酔イベントへ
……平行線すぎて絶対に相容れない。
結論:酒との付き合い方に正解はない
100冊読んで分かったのはこれだ。
- ウォッカで睡眠の質を高める派
- 泥酔で予定調和を破壊する派
- 気くばり100%で気を抜かない派
どれも極端で、どれも真面目に受け止めると生きづらい。
つまり、
お酒との距離感も、自分の性格と立場に合わせて調整するしかない。
ビジネス書の教えは、あくまで“著者個人に合った例”であり、万人にフィットするわけではないのだ。
