自己啓発

落ち着きは伝染する ― マルクス・アウレリウスと特殊部隊に学ぶリーダーシップ

「落ち着きは伝染する」――この言葉はアメリカ海軍特殊部隊(Navy SEALs)の隊員たちに受け継がれてきた格言です。混乱や危険の真っ只中で、最も重要なのは戦術や武器ではなく「心の在り方」であることを示しています。

実は、古代ローマの哲学者マルクス・アウレリウスも『自省録』の中で似たようなことを語っています。

「お前が求めたり避けたりしている事柄が、向こうからお前のもとに来るのではなく、むしろお前のほうからそれらへ出向いているのだ。ならば冷静さを失うな。」

つまり、外部の出来事に心を振り回されるのではなく、冷静さを保つことで物事に対する態度そのものが変わる、という考えです。

リーダーに求められる「落ち着き」

混乱の中でリーダーが慌てれば、周囲も同じように慌てます。逆にリーダーが落ち着いていれば、その安心感がチーム全体に広がっていきます。これは職場や家庭でも同じです。

リーダーの務めは「皆を落ち着かせること」。しかし、ただ命令して「落ち着け」と言うのでは効果がありません。リーダー自身がまず落ち着きを体現しなければならないのです。

落ち着きを示す具体的な方法

  1. 声のトーンを下げる
     慌ただしい場面でも、低く穏やかな声で話すだけで周囲の不安は和らぎます。
  2. 表情を意識する
     焦りや恐怖を顔に出さないこと。落ち着いた表情は、無言の安心感を与えます。
  3. シンプルな行動をとる
     指示は短く明確に。複雑な言葉や余計な動作は混乱を増幅させます。
  4. 「大丈夫だ」と繰り返す
     過剰にではなく、必要な場面で落ち着いた口調で伝えることが効果的です。

職場での応用例

例えば、プロジェクトでトラブルが発生し納期が危ぶまれる状況。リーダーが「どうしよう!」と不安を表に出せば、メンバーも動揺します。
しかし、「問題はあるが、優先順位を整理すれば解決できる。大丈夫だ」と冷静に言えるリーダーであれば、チームは落ち着きを取り戻し、次の行動に移れます。

精神安定剤のような存在に

リーダーは集団のお荷物になるのではなく、「精神安定剤」となるべきです。その落ち着きは必ず周囲に伝わり、チームの雰囲気を変えます。

マルクス・アウレリウスも、米海軍特殊部隊も同じ真理に行き着いています。
それは――冷静さを保つことが最大の力であり、最も強い影響力を持つということです。


今日からできることはシンプルです。
✅ 深呼吸する
✅ 落ち着いた声で話す
✅ 不安を煽らず冷静に行動する

それだけで、あなたの周りに安心感が広がっていきます。

落ち着きは確かに伝染するのです。

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taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。