環境が変わるとすぐ動揺してしまう…どんな時もブレない自分を作る「内面のアンカー」とは
AIの台頭、経済の変動、あるいは転職や引越し……。 私たちの周りの環境は、めまぐるしいスピードで変化し続けています。
そんな変化の波に飲み込まれ、「自分はどうなってしまうんだろう」と不安やストレスを感じてはいませんか?
実は、世界的な名著『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィーは、変化に押しつぶされずに生きるための条件として、ある**「逆説的な真理」**を提示しています。
それは、**「変化に対応したければ、自分の中に『絶対に変わらないもの』を持たなければならない」**ということです。
私は理学療法士として、身体の仕組みを見ていますが、これは「手足を激しく動かす(変化する)ためには、体幹(中心)がガチっと固定されていなければならない」という運動学の原則と全く同じです。
この記事では、激動の時代でも決してブレない「内面の中心」の作り方について解説します。 結論を言えば、「自分は何者か」という問いに対する答え(アンカー)を持つことが、最強の安定剤になるのです。
なぜ「コマ」は倒れずに回り続けられるのか?
コヴィー博士の言葉を見てみましょう。
内面に変わることのない中心を持っていなければ、人は変化に耐えられない。
想像してみてください。高速で回転している「コマ」を。 コマは激しく動いていますが(変化)、決して倒れません。それは、中心に**「一本のブレない軸」**が通っているからです。 もし軸がぐにゃぐにゃだったら、回った瞬間に倒れてしまうでしょう。
人間も同じです。 「会社の方針が変わった」「社会情勢が変わった」という回転(変化)のエネルギーに耐えるには、その遠心力に負けないだけの強固な「自分軸」が中心になければなりません。
「自分は何者か」を答えられますか?
では、その「軸」の正体とは何でしょうか。
自分は何者なのか、何を目指しているのか、何を信じているのかを明確に意識し、それが変わらざるものとして内面にあってこそ、どんな変化にも耐えられるのである。
多くの人は、自分のアイデンティティ(何者か)を「外側のもの」に依存しています。
- 「私は〇〇会社の部長だ」(会社が変われば崩壊)
- 「私は〇〇の妻だ」(離婚すれば崩壊)
- 「私は資産家だ」(破産すれば崩壊)
これらは環境によって簡単に奪われてしまうものです。 真の安定とは、「たとえ裸一貫になっても残るもの」にアイデンティティを置くことです。
- 「私は誠実さを大切にする人間だ」
- 「私は困難から学び成長する人間だ」
この**「内面の価値観」**だけは、不景気になろうがAIが普及しようが、誰にも奪うことはできません。
リハビリ視点:最強の防衛策は「体幹(コア)」
理学療法士の視点で言えば、これは**「体幹(コアスタビリティ)」**の話そのものです。
スポーツ選手が激しいタックル(外部からの変化・衝撃)を受けても倒れないのは、腹筋や背筋といった身体の中心(コア)が強く安定しているからです。
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- 体幹が弱い人: 少し押されただけでよろめく。怪我をする。
- 軸がない人: 少し批判されただけで落ち込む。流行に流されて自分を見失う。
変化の激しい時代において、スキルや知識(手足)をアップデートすることも大切ですが、それ以上に重要なのは、それらを支える人格や信念(体幹)を鍛えることなのです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- 激しい変化(回転)に耐えるには、コマのような「変わらない中心軸」が必要不可欠である。
- 肩書きや財産など「外側のもの」を軸にすると、環境の変化で簡単に折れてしまう。
- 「自分は何を信じ、どう生きたいか」という内面の価値観こそが、人生の最強のアンカー(錨)になる。
Next Action:自分の「クレド(信条)」を書こう
変化に負けない自分を作るために、今日からできるアクションは、**「自分の憲法(個人的なミッション・ステートメント)」**を書き出すことです。
スマホのメモ帳に、以下の質問の答えを書いてみてください。
- 「私が人生で最も大切にしたい価値観は何か?(誠実、愛、挑戦、自由など)」
- 「私はどんな人間として記憶されたいか?」
これが言語化できたとき、あなたの心の中に一本の太い杭が打ち込まれます。それが、どんな嵐の中でもあなたを繋ぎ止めるアンカーとなるはずです。
自分だけのミッション・ステートメントを作り上げたい方は、**『7つの習慣』**をガイドブックとして活用してください。第2の習慣には、その具体的な作成方法が詳しく書かれています。
