自己啓発

やみくもに闘うな:エピクテトスに学ぶ「土俵を選ぶ」知恵

「どんな闘いも受けて立つ」――そんな姿勢は一見勇ましく見えます。しかし古代ストア派の哲学者エピクテトスは『語録』でこう述べています。

「賢者は無敵である。自分が一番強いところ以外では闘おうとしないからだ。…彼らが自分で決めた闘いで、彼らを負かすことはできない」

つまり、賢者は「土俵を選ぶ」からこそ無敵なのです。

格闘技の原則に学ぶ

格闘技では「力に力で対抗するな」という基本原則があります。相手の得意分野で戦えば、勝ち目はありません。むしろ相手の弱点を突き、自分の強みを生かすことで勝利につながります。

ところが私たちは日常生活で、つい相手の土俵に乗ってしまいがちです。

  • 無理な仕事を引き受けて消耗する
  • 本当は興味のない競争に巻き込まれる
  • 他人の価値観で「勝ち負け」を決めてしまう

これでは、闘う前から負けが見えています。

「土俵を選ぶ」のは弱さではない

「挑戦を避けるのは弱虫だ」と感じる人もいるかもしれません。しかし、無駄な闘いを避けることは逃げではなく、賢さの表れです。ことわざにもあるように、分別は勇気の一部。合理的に選んだ闘いでこそ、本当の勇気を発揮できます。

理性的に選ぶとは?

ストア派が強調したのは「理性的な選択」です。次のように考えてみましょう。

  1. 自分の強みを知る → どの分野で力を発揮できるか。
  2. 土俵を見極める → その勝負は本当に必要か?意味があるか?
  3. 引き受けるか手放すか決める → 価値あるものだけに力を注ぐ。

こうして選択した闘いに集中することで、無駄な敗北や苦労を避けられます。

まとめ

エピクテトスが教えるのは、「やみくもに闘うな。土俵を選べ」というシンプルな真理です。無駄な闘いを減らすことは、逃げることではなく賢く生きること。今日から、自分にとって意味のある勝負を選び、理性的に挑んでみませんか?

ABOUT ME
taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。