自己啓発

「期待外れだ!」と勝手に怒っていませんか?その悲劇、あなたの「勇気不足」が原因です

taka

「普通、ここまでやってくれるでしょ?」 「言わなくても、空気読んでよ」

職場や家庭で、相手に対してこんな**「期待外れ」**を感じて、イライラしたことはありませんか?

実はその怒りの原因は、相手の能力不足ではなく、最初に**「何をしてほしいか(期待)」を言葉にしていなかったこと**にあるかもしれません。

理学療法士としてリハビリの計画を立てる際、最も重要なのがこの「期待のすり合わせ」です。ここを曖昧にしたまま、「まあ、なんとかなるだろう」と進めると、後で必ず「こんなはずじゃなかった」とクレームになります。

この記事では、コヴィー博士の言葉をヒントに、**人間関係の地雷を取り除く「期待の明確化」**について解説します。

結論をお伝えします。 「言わなくてもわかる」は幻想です。 最初に勇気を出して話し合わなかったツケは、後で**「信頼の崩壊」**という高い利子をつけて支払うことになります。

「平和なフリ」が一番危ない

今回のテーマは、私たちの心の弱さを突くような鋭い指摘です。

期待の内容をはっきりと伝えるのは、勇気が要ることもある。(中略)あたかも意見の違いなどないかのように振る舞い、きっとうまくいくだろうと思っているほうがよっぽど気楽だからである。

誰だって、波風を立てたくありません。 「ここで細かいことを言うと、細かい奴だと思われるかな」 「まあ、常識的に考えてやってくれるだろう」

こうやって、意見の違いを見て見ぬふりをするのは**「気楽」です。 しかし、それは「時限爆弾のタイマー」**を作動させているのと同じことです。

レストランでの「お任せ」の悲劇

これをレストランで想像してみてください。 あなたは「お腹が空いたな(ガッツリ肉が食べたい)」と思っています。 しかし、店員さんには注文もせず、「私の顔を見ればわかるでしょ? きっと上手くいくはず」とニコニコ待っています。

出てきたのが「サラダ」だったらどうしますか? 「ふざけるな! 俺は肉が食いたかったんだ!」と怒るのは理不尽ですよね。

しかし、私たちは仕事や家庭でこれをやってしまっています。 「(言わなくても)ゴミ出ししてほしい」「(言わなくても)この形式で書類を作ってほしい」。 言葉にしない期待は、他人にエスパー(超能力者)であることを強要しているのと同じです。

違いを出し切る「勇気」を持つ

なぜ、私たちは期待を口にできないのでしょうか? それは、**「意見が食い違うのが怖いから」**です。

「これをやってほしい」と言って、「え、それは嫌です」と言われたら気まずいですよね。 だから、その気まずさ(痛み)を避けて、「きっとわかってくれる(麻酔)」に逃げてしまうのです。

しかし、コヴィー博士はこう言います。 **「意見の違いを目の前に出して、お互いに納得のいく期待事項を話し合って決める」**べきだと。

リハビリ現場での「期待調整」

私の現場でも、これができないと治療が失敗します。

  • 患者さん: 「1週間で走れるようになりたい」
  • 私(専門家): 「医学的に見て1ヶ月はかかる」

ここで私が勇気を出して、「1週間は無理です。でも1ヶ月なら可能です」と言えるかどうか。 「まあ、頑張りましょう(濁す)」と言ってしまえば、1週間後に「嘘つき!」と罵られることになります。

最初に**「できること」「できないこと」「やってほしいこと」**をテーブルの上に全部出し切る。 この作業は少しヒリヒリしますが、これができる関係こそが、長続きする関係なのです。

「暗黙の期待」を「明文化」する

多くのトラブルは、**「暗黙の了解」**が了解されていないことから起きます。

  • 上司:「早めにやっといて(明日までだろう)」
  • 部下:「わかりました(来週でいいか)」

このズレを防ぐには、面倒でも**「定義」**するしかありません。 「早めというのは、明日の15時までという意味で合っていますか?」

これを確認するのは、相手を信用していないからではありません。 相手との関係を大切にしたいからこそ、誤解が生まれる隙間を埋めておくのです。


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まとめ・アクションプラン

記事の要点をまとめます。

  1. 「言わなくてもわかるだろう」という楽観は、時限爆弾を抱えるようなものである。
  2. 期待を伝えるには勇気がいるが、それは後で起こる「失望」を防ぐ唯一の方法だ。
  3. 意見の違いを恐れず、最初にテーブルの上に出し切ることで、本当の信頼が生まれる。

「きっとうまくいくだろう」という希望的観測は捨てましょう。 その代わりに、「これについて、どう思っている?」と聞く勇気を持ってください。

Next Action:魔法の質問「具体的にどうなればOK?」

今日、誰かに何かを頼んだり、頼まれたりした時、必ずこの言葉を付け加えてください。

「この仕事(お願い)、具体的にどんな状態になったら『成功(OK)』と言えますか?」

  • 「部屋を片付けて」 → 「床に物がなければOK? それとも本棚まで整理する?」
  • 「資料作って」 → 「ラフ案でいい? それとも完成品?」

この一言で、お互いの頭の中にある「期待の映像」を一致させること。 それが、ストレスフリーな人間関係への第一歩です。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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