「言わなくてもわかるでしょ」は通用しない!職場の空気が悪くなる本当の理由
「何度も説明したはずなのに、部下が全く違う資料を作ってきた……」 「『部屋を片付けて』と言ったのに、娘は端に寄せただけ。これって片付け?」
こんな風に、職場や家庭でイライラしてしまった経験はありませんか?
実はこれ、相手のやる気や能力の問題ではなく、あなたの**「期待の伝え方」**に原因があるかもしれません。
この記事では、世界的なベストセラー『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士の言葉を紐解きながら、**人間関係のトラブルを防ぐ「期待の明確化」**について解説します。
これを読めば、「なんでわかってくれないの?」というストレスから解放され、周囲との信頼関係がグッと深まるはずです。
結論から言うと、トラブルのほとんどは**「お互いの『完了形』のイメージがズレていること」**から始まります。
なぜ「言わなくてもわかる」は危険なのか?
私たちはつい、「これくらい常識でしょ」「言わなくても察してほしい」と考えてしまいがちです。しかし、コヴィー博士はこう警告しています。
役割や目標に対して期待することが曖昧だったり、認識が食い違っていたりすると、たいていは人間関係に支障をきたすものである。
つまり、「曖昧さ」こそが人間関係を壊す最大の敵なのです。
「カツ丼」と頼んで「カツカレー」が出てきたら?
少し極端な例ですが、レストランで「カツが乗ってるやつ」とだけ注文したとしましょう。あなたは「カツ丼」を期待していましたが、店員さんは「カツカレー」を持ってきました。
この時、店員さんを怒るのはお門違いですよね? これと同じことが、日常のコミュニケーションでは頻繁に起きています。
自分の中にある「正解(期待)」を言葉にして伝えていないのに、相手がそれを満たしてくれないと失望してしまう。これを防ぐには、最初に「何をもって正解とするか」を握り合う必要があります。
具体例で見る「期待のズレ」と解決策
コヴィー博士は、職場や家庭での具体的なシーン(仕事の分担、子供の掃除、ゴミ出し係など)を挙げています。それぞれの場面でどうすべきか、噛み砕いて見ていきましょう。
1. 職場編:「誰が何をするか」を決める
「このプロジェクト、みんなで協力してやってね」 上司がこう言うと、大抵プロジェクトは失敗します。なぜなら、「みんなで」という言葉が曖昧だからです。
- 曖昧な指示: 「資料をまとめておいて」
- 部下の解釈: 「データを集めればいいんだな(とりあえずExcelで)」
- 上司の期待: 「明日の会議で使うプレゼン資料を作ってほしかった(パワポで)」
このズレが発覚した時、上司は「使えないなぁ」と失望し、部下は「せっかくやったのに」と不信感を抱きます。
【解決策】 「誰が」「いつまでに」「どのような状態にすればいいか」を最初に定義しましょう。 「Aさんは、売上データをExcelで集計してください。Bさんは、そのデータを使って金曜までにパワポで資料化してください」と伝えれば、誤解は生まれません。
2. 家庭編:娘への「部屋の掃除」
「部屋を片付けなさい!」と怒る親と、「やってるよ!」と言い返す子供。永遠のテーマですね。ここにも期待のズレがあります。
- 親の期待(正解): ホコリひとつなく、掃除機がかかっていて、本は棚に並んでいる状態。
- 子の期待(正解): 足の踏み場が確保されていて、マンガが手の届く場所にある状態。
お互いのゴール地点が違うのですから、いつまで経っても平行線です。
【解決策】 「きれいにする」という曖昧な言葉を使わず、「床に物が落ちていない状態」や「服がタンスに入っている状態」など、具体的なゴールの映像を共有しましょう。
3. 日常の役割分担:金魚の餌やりとゴミ出し
「金魚の餌やり」や「ゴミ出し」のような些細な家事ほど、喧嘩の種になりがちです。 「気づいた方がやればいい」というルールは、たいてい「気付くのが早いほう(あるいは几帳面なほう)」に負担が偏り、不満が爆発します。
【解決策】 これも最初に「期待」を合意することです。 「週に2回、火曜と金曜の朝にゴミを出すこと。もし出せない時は前夜に相談すること」 ここまで明確にしておけば、「なんでやってないの!」と怒る必要も、「知らなかった」という言い訳もなくなります。
信頼口座を減らさないために
期待を明確にしないまま相手を責めると、コヴィー博士が言う**「信頼を引き出してしまう(=信頼残高が減る)」**ことにつながります。
一度失った信頼を取り戻すのは大変です。 逆に言えば、最初に少し時間をかけて「お互いの期待」をすり合わせるだけで、その後の何十時間ものトラブル対応や、イライラする時間を節約できるのです。
まとめ・アクションプラン
人間関係のトラブルを防ぐ鍵は、相手への過度な期待ではなく、期待そのものを「言葉にする」作業にあります。
- 曖昧さは敵: 「言わなくてもわかる」を捨て、言葉で明確に伝える。
- 具体例で考える: 職場でも家庭でも、具体的な「完了形(ゴール)」を共有する。
- 信頼を守る: 最初に期待をすり合わせることで、誤解による失望を防ぐ。
Next Action まずは今日、誰かに何かをお願いする時に、**「具体的な完了イメージ」**まで伝えてみてください。 (例:「掃除して」ではなく「テーブルの上を何もない状態にして」と言う)
より深く人間関係の原則を学びたい方は、名著『7つの習慣』を読んでみることを強くおすすめします。活字が苦手な方は、要点がまとまった**「漫画版」**から入ると、日常ですぐに使えるテクニックがたくさん見つかりますよ。
