政治・経済

消費税廃止でも「値下げは起きない」? 救国の経済学

taka

「減税=安くなる」という大きな誤解

「消費税がなくなれば、買い物する時の値段は10%安くなる」。多くの国民がそう信じ、期待しているが、経済の現実を見ればそれは幻想であるといえる。断言するが、仮に消費税が廃止されたとしても、店頭の価格がそのまま下がるとは限らない。なぜなら、消費税の本質は、消費者が店に預けている「預り金」ではなく、企業がその売上の中から支払う「第二法人税」だからだ。法人税が減税されたからといって、商品の値段をわざわざ下げる企業が存在しないのと同じ理屈である。

価格を決めるのは「税率」ではなく「需要」

そもそもモノの値段、すなわち価格決定権は誰にあるのか。それは税率ではなく、市場の「需要と供給」にある。例えば、1800円で飛ぶように売れている本があるとする。消費税が廃止されたからといって、経営者がその本を1600円に値下げするだろうか。答えは否である。今の価格で売れているのなら、あえて値下げをして利益を削る理由はどこにもない。商売の基本は利益を出すことであり、高くても売れるならその価格を維持するのが鉄則だ。これを「けしからん」と怒るのは筋違いであり、経済の仕組みを無視した感情論に過ぎない。

「値下げ圧力」が中小企業を殺す

ここで最も警戒すべきは、世論や政治家が「税金がなくなったのだから値下げしろ」と企業に圧力をかけることだ。これをやれば、日本経済は地獄を見ることになる。なぜなら、日本の中小企業の多くは、これまで立場が弱く、消費税分を価格に転嫁できていなかったからだ。彼らは自らの利益を削って、あるいは身銭を切って納税してきた。「元々上乗せできていないのに、減税分を安くしろ」と迫られれば、それは実質的な値下げ強要であり、倒産への宣告に等しい。政治家が真に国を思うなら、「消費税をなくすから、価格は絶対に下げるな。その分を会社の利益にしろ」と叫ばなければならないのである。

「安さ」ではなく「給料アップ」を選ぶ

消費税廃止の真の目的は、物価を下げることではない。「中小企業の救済」こそが本丸である。過酷な納税負担を取り除き、企業の手元に利益をしっかりと残させる。その利益があって初めて、長年止まっていた「賃上げ」や「設備投資」の原資が生まれるのだ。目先の数十円、数百円の安さを求めるデフレマインドを捨て、企業が儲かり、結果として私たちの給料が増えるインフレの好循環を選ぶ。 それこそが、失われた30年を取り戻す唯一の道といえるだろう。

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ABOUT ME
TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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