消費税は「弱い者いじめ」。下請けを襲う残酷な真実
価格交渉という名の「押し付け合い」
経済学の教科書には、価格は「需要と供給」で決まると書いてある。しかし、現実のビジネス現場において価格を決めるのは、もっと泥臭い「力関係」である。 特に消費増税のタイミングで繰り広げられるのは、立場の強い者が生き残り、弱い者が泣きを見るという、あまりに残酷な物語だ。元請けである巨大企業と、その仕事をもらう下請け企業。この間に横たわる絶対的な上下関係が、消費税という負担を「誰が被るか」を決定づけている。
大企業が仕掛ける「詐欺的」な手口
例えば、ある自動車メーカーが部品を仕入れる場面を想像してほしい。増税時、メーカーは下請けのA社にこう囁く。「ライバルのB社は増税分を負担すると言っているぞ」。もちろん、これは嘘だ。そしてB社にも同じ嘘をつき、両社を天秤にかける。 仕事を失う恐怖に怯える下請けは、自らの身を削ってでも「全額負担させていただきます」と頭を下げるしかない。こうして大企業は痛みを伴わずに増税を乗り切り、力の弱い中小企業だけが、売上を削られ、利益を吐き出し、財務省への貢ぎ物を背負わされる。これが日常茶飯事に行われている「系列」の実態である。
財務省が放置する「弱肉強食」の地獄
財務省にとって、その税金が誰の犠牲の上に支払われたものかなど、どうでもいい。「とにかく決まった額を持ってこい」。その冷徹な態度は、結果として強者の搾取を肯定することになる。 石油価格が高騰した際、元売り大手が過去最高益を出す一方で、末端のガソリンスタンドが疲弊した構図と全く同じだ。市場支配力のある強者は価格転嫁も容易だが、弱小企業にはそれが許されない。 さらに、ブラックな大企業であれば、増税コストを「労働者の賃金カット」で相殺することさえある。
制度化された「残酷物語」
「消費税は公平な税だ」などというのは幻想に過ぎない。その実態は、価格決定権を持たない下請け企業や、立場の弱い労働者が、大企業の代わりに税負担を肩代わりさせられるシステムである。 100%の価格転嫁など、机上の空論だ。現実は、弱者が血を流し続ける地獄のような構図。消費税とは、日本経済にこの救いのない「残酷物語」を定着させてしまった、最悪の装置と言わざるを得ない。
