消費税の真の狙いは「人件費」。正社員を減らす税金の罠
人件費を削れば「節税」できる?
なぜ企業は正社員を減らし、非正規やフリーランスを増やそうとするのか。その裏には、消費税の恐るべきカラクリが隠されている。 企業の利益には法人税がかかるが、消費税は「利益」と「人件費」の合計(付加価値)にかかる。つまり、経営者にとって人件費は、単なるコスト以上の「課税対象」なのだ。 ここで経営者は考える。「もし、この人件費を『経費(原価)』に変えることができれば、消費税を払わなくて済むのではないか?」と。
正社員を「外注」にする手口
そのための具体的な方法が、社員を解雇し、個人事業主(フリーランス)として再契約することだ。 例えば、月給30万円の社員を独立させ、月30万円で業務委託契約を結ぶとする。会社から支払う金額は変わらないが、会計上の扱いは「給与(人件費)」から「外注費(原価)」へと変わる。 するとどうなるか。会社はこれまで人件費にかかっていた消費税を払わなくて済むようになる。その代わり、独立した元社員が、自らの売上にかかる消費税を自分で納めなければならなくなるのだ。
消費税が「不安定雇用」を生む圧力
これが、消費税が「労働者いじめ」と言われる所以である。 企業にとっては、社員を雇うより外注を使った方が圧倒的に税金が安くなる。派遣社員や業務委託が増え続ける背景には、規制緩和だけでなく、この消費税による強力な「外注化へのインセンティブ」が働いている。 大企業が「自由な働き方」などと耳障りの良い言葉でフリーランス化を推奨するのは、労働者のためではない。単に自社の消費税負担を減らし、そのツケを弱い立場の個人に押し付けるための方便に過ぎないのだ。
法人税減税の穴埋めとしての消費税
もし消費税の計算から人件費を除外したらどうなるか。それは単純に「利益」への課税となり、法人税と同じになってしまう。 つまり、政府があえて法人税を下げて消費税を上げた理由は、「利益への課税を減らし、人件費への課税を増やす」ためだったと言える。 消費税とは、企業が人を雇い、賃金を払うことに対するペナルティそのものである。この構造がある限り、正規雇用は減り続け、労働環境のブラック化は止まらないだろう。
