政治・経済

臨時国会で露呈した「消費税の本質」と政治の迷走

taka

臨時国会で浮かび上がった疑問

十一月四日から始まった臨時国会では、物価対策や補正予算を巡る議論が続いている。野党との討論を通して、現政権の物価高対策が徐々に綻びを見せ始めた印象を受ける一方、経済政策に正面から切り込む議員が増えたことは確かな変化といえる。特に目立ったのが、参政党の安藤議員の質疑である。予算委員会での発言は、これまで語られてこなかった消費税の本質を突く内容で、多くの視聴者に強い衝撃を与えた。

消費税の構造が抱える根本問題

安藤議員が繰り返し指摘したのは、消費税が「消費者が負担する税」であるという一般的な認識そのものが誤っている点である。法律上の納税義務者は事業者であり、消費者ではない。この点を財務大臣も答弁の中で明確に認めている。にもかかわらず、多くの国民、さらには国会議員までが「消費者が払う税金」という誤解を前提に議論を進めてきた。

本来、事業者は売上にかかる税を納めなければならないため、赤字でも納税義務が発生する。経費の全額が差し引けるわけではない以上、資金繰りに苦しむ企業は少なくない。値上げができない中小企業は税負担をそのまま抱え込み、賃上げどころではなくなる。安藤議員が「賃上げ妨害税」と表現した理由がここにある。

国会に残る“幻想”と現実の乖離

質疑の中で示された価格形成のイメージは、国民の多くが抱く「誤解」の典型だといえる。適正な価格に適正な利益が加わり、そこに消費税が上乗せされる――もしこれが完全に成立するならば、赤字企業も低賃金問題も存在しないはずである。だが現実はそうではない。多くの企業が価格転嫁できず、消費税分を自ら負担している。

財務大臣や総理の答弁からは、依然としてこの“幻想”を前提に議論が進められている様子が垣間見えた。実際に苦しんでいる中小企業の現場を十分に理解しているとは言い難く、議論の土台そのものが揺らいでいるといえる。

“毎月納税”という危うい方向性

議論の中で最も懸念させられたのは、赤字企業が消費税を納められない問題に対して「一年ごとの納税が悪いのなら、毎月に変えればよい」という方向性が示された点である。これは税の本質的な問題をすり替えるものであり、解決策としては極めて表層的である。現行制度が企業の賃上げや投資を阻害しているという根本の課題に目を向けず、納税方法だけを変更するのは筋違いといえる。

消費税議論が示した政治の現在地

今回の安藤議員の質疑は、消費税の構造そのものが日本経済の停滞を生み出してきたという問題を改めて浮き彫りにした。多くの議員が根本を理解しないまま議論してきた結果、現実に即した政策が生まれなかった可能性は否定できない。今回の国会質疑は、それを痛烈に示す“象徴的な瞬間”であったといえる。

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TAKA
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理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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