『続ける思考』に学ぶ|やりたいこともやるべきことも全部できる“習慣デザイン”の技術
『続ける思考』が教える、継続を仕組みに変える生き方
「続けたいけど、続かない。」
「やりたいことが多すぎて、何もできない。」
そんな悩みを抱える人にこそ読んでほしいのが、
ブックデザイナー・井上新八氏の『続ける思考』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
著者は、25年間ジョギングを毎日継続し、22年間日記を1日も欠かさず書き続ける“継続の達人”。
しかも仕事の傍ら、年間200冊の本をデザインし、映画・ドラマ・アニメ・ゲームも日々楽しむという驚異の生活を続けています。
その秘密は、「時間の使い方」ではなく「続ける思考」にありました。
1. 続けるために大事なのは「正しい努力」ではなく「正しい継続」
私たちは何かを始めるとき、つい「効率的に」「正しく」やろうと考えがちです。
しかし、井上氏はそれが続かない原因だと語ります。
「成果を先に求めてしまうと、その過程が修行になる。」
うまくいかないことを「努力不足」と捉えるよりも、
“まず続けること”を目的にすることで、取り組み自体が軽やかになる。
つまり、「上達より継続」。
正しいかどうかより、“続けられる形をデザインする”ことこそ本質なのです。
2. 続けるコツは「毎日やる」と“決めてしまう”こと
継続の最大のコツは、意志ではなくルール化。
「やる」「やらない」を毎日判断している時点で、もう続かない。」
人は“決断疲れ”を起こす生き物。
だからこそ、「毎日やる」とあらかじめ決めておくことで、迷いが消え、思考コストが減ります。
重要なのは、「どれくらいの量をやるか」ではなく「やることを日常の一部にする」こと。
1日10分の読書でも、1分の筋トレでも、**“やらない日をなくす”**ことが継続の力を生み出します。
3. 続けるための原則は「小さく始めて、無理をしない」
続ける習慣の第一歩は、「小さく始めること」。
最初から大きな目標を立てると、途中で燃え尽きてしまいます。
著者がすすめるのは、**“限界までハードルを下げる”**方法。
たとえば「読書を毎日する」ではなく、
「毎日本を開くだけ」「1ページだけ読む」でOK。
それを繰り返すうちに、自然と行動が定着し、
やらないと落ち着かない“無意識の習慣”になります。
4. ゴールを追わない。意味を求めない。
継続が途切れるもう一つの理由は、「意味を求めすぎる」こと。
「続けることに意味があるのか?」と考え始めた瞬間、やめたくなる。
著者は、“目的を持たない継続”を推奨します。
上達や成果をゴールにせず、淡々と積み重ねていく。
その先に必ず「変化」が生まれます。
それが、結果的に人生を変える力になるのです。
5. 「くだらないことを続ける」ことにも価値がある
面白いのは、井上氏が“無駄の継続”にも意義を見出している点です。
「毎日『すき家』でご飯を食べる」
「毎朝同じ納豆を記録する」
こうした一見“意味のないこと”を続けると、
それ自体が「観察」や「気づき」のきっかけになります。
著者自身、毎日食べる納豆を記録していくうちに、
“豆の形・粘り・味の違い”に気づき、納豆が趣味になったと言います。
「好きなこと」は、探すものではなく、
**“続けているうちに好きになる”**ものなのかもしれません。
6. やりたくないことも「続けてみる」価値がある
やりたいことが見つからないなら、
むしろ“やりたくないこと”を続けてみる。
掃除が嫌いだった著者は、
毎日1か所だけ掃除を続けるうちに、
1年後には「掃除が気持ちいい」と感じるようになったといいます。
嫌いなことにも、続けることで新しい感情が生まれる。
それが“自分を変える種”になるのです。
7. 続けることで「当たり前」に気づく
日々を記録する。
気づいたことをメモする。
こうした「何でもないこと」を続けるだけで、
自分の感情や思考の“パターン”が見えてきます。
「当たり前のことに気づくには、時間がかかる。
でも、その時間こそが“人生”なのだ。」
続けることは、人生のスピードをゆるめ、
“気づく力”を磨くことでもあるのです。
まとめ|継続は「才能」ではなく「仕組み」
『続ける思考』は、根性論やモチベーション本ではありません。
“続けることを仕組みに落とし込む思考法”の本です。
継続の本質は、「毎日やる」と決めて、「小さく始めて」「意味を求めない」こと。
それだけで、人生は静かに変わっていきます。
続けることができる人は、
自分のペースで幸せを積み重ねていける人だ。
あなたも「続ける」を楽しむ仕組みを、今日からデザインしてみませんか?
