「経験が自分を作る」のではなく「自分が経験の意味を作る」──心理学が教えるトラウマの乗り越え方
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Taka Knowledge Output
「あるものはわれわれの力の内にあり、あるものはそうではない。」
ストア哲学者エピクテトスは『提要』の冒頭でこう語ります。私たちはしばしば、自分の手には負えないことに心をすり減らし、逆に自分で変えられることをおろそかにしてしまいます。
彼の教えを一言でまとめれば、**「コントロールできることに集中し、できないことは手放せ」**です。
エピクテトスは、自分の意志が及ぶものを「われわれの力の内にあるもの」と呼びました。
これらは誰にも奪えない、私たち固有の領域です。つまり、心の持ち方や態度は常に自分のコントロール下にあるということです。
一方で、次のようなものは私たちの力の外にあります。
これらは一見すると大事に思えますが、完全に自分で操ることはできません。にもかかわらず、私たちはしばしばここに執着し、ストレスや不安を抱えてしまいます。
「今日一日、君は自分の外側で起きる出来事をコントロールできないだろう。」
たとえば、突然の雨や電車の遅延、上司の機嫌。他人や環境は自分の思い通りになりません。
しかし、その出来事をどう解釈するかは自分の自由です。
状況を変えられなくても、見方を変えれば現実は変わるのです。
この姿勢こそ、ストア哲学が説く「心の自由」です。
エピクテトスが説いたように、人生には二つの領域しかありません。
前者に集中し、後者を手放すことで、心は驚くほど軽くなります。
今日一日、外的な出来事に煩わされたときは「これは自分の力の内か、外か?」と問いかけてみましょう。その瞬間から、心は少しずつ自由を取り戻していきます。