「ビールは好きだけど、詳しいことはよくわからない」
「クラフトビールに挑戦してみたいけど、種類が多すぎて難しそう」
そんな風に感じている方は多いのではないでしょうか。私自身も以前は「とりあえず缶ビールを選ぶだけ」というタイプでした。けれど、ビールのことを少しずつ知るようになってからは、味わいが何倍も楽しくなりました。
今回は、ビールの基本を知りたい人に向けて、ビールの原料・副原料・クラフトビールの定義についてわかりやすくご紹介します。
ビールの4大原料
まずはこれだけ覚えましょう!ビールを造る基本の材料は次の4つです。
- モルト(麦芽):大麦を発芽させたもの。香ばしさや色を決めます。
- ホップ:ハーブの一種。ビールに苦味と香りを与えます。
- 酵母:糖をアルコールと炭酸ガスに変える小さな生き物。発酵の主役です。
- 水:ビールの大部分を占め、硬度やミネラルが味わいに影響します。
この4つの組み合わせ次第で、世界中に多彩なビールが生まれているのです。
ビールを彩る「副原料」
日本の酒税法では、ビールに使える「副原料」が決められています。コーン、米、でんぷんなどが代表的です。これらは味を軽やかにしたり、飲みやすく仕上げる役割を持ちます。
ただし、法律で定められた副原料以外を使うと、日本では「発泡酒」と分類されます。たとえばフルーツやスパイスを使ったユニークなビールは、見た目がビールでも「発泡酒」と表示されるのです。
一方、海外ではこのような制約は少なく、自由に多様なビール造りが行われています。クラフトビールの個性豊かさは、こうした副原料の工夫にも大きく関わっています。
「クラフトビール」って何?
最近よく耳にする「クラフトビール」。実は、日本では明確な定義はありません。
アメリカでは「ブルワーズ・アソシエーション」が条件を定めています。
- 小規模であること
- 独立していること
- 伝統的な原料や製法を用いていること
この考え方が日本にも伝わり、「大手メーカー以外の小規模醸造所が造るビール」というイメージが広まっています。
クラフトビールの特徴は、
- 品質を重視していること
- 大手の定番ビールより種類が豊富
- 個性あふれる味わいが楽しめること
といった点です。
ただし近年は、大手メーカーもクラフト市場に参入し、独創的な副原料を取り入れる醸造所も増えてきました。そのため、「クラフトビールとは何か」という境界線はあいまいになりつつあります。
私自身の考えでは、クラフトビールとは「飲んだときに、造り手の思いや存在感を感じられるビール」。そして、何がクラフトで何がそうでないかを分けるよりも、ビールの多様さそのものを楽しむことが大切だと思います。
まとめ
- ビールの基本は「モルト・ホップ・酵母・水」の4大原料
- 日本では副原料に制限があり、使う素材によっては「発泡酒」と分類される
- クラフトビールは明確な定義がなく、個性や多様性を楽しむビール
ビールの背景を少し知るだけで、グラスを傾ける楽しみはぐっと深まります。これからは「ただ飲む」だけでなく、「どんな原料かな?」「どんな造り手なのかな?」と想像しながら飲むと、さらに豊かなビールライフが広がるはずです。
今夜の一杯は、ぜひその視点で味わってみてください!🍻