自分が何をしたいのか分からない…それは「第一の創造」を他人に丸投げしているからです
「親が望むような職業に就いたけど、満たされない」 「会社のために尽くしてきたけど、定年間近になって虚しさが襲ってきた」
誰かの期待に応えようと必死に生きてきたのに、ふと「私の人生って何だったんだろう?」と虚無感を感じることはありませんか?
それは、あなたが人生の設計図(第一の創造)を、自分以外の誰かに書かせてしまっているからかもしれません。
この記事では、『7つの習慣』の著者コヴィー博士の言葉を紐解きながら、人生の迷子にならないための「脚本の書き方」について解説します。 理学療法士として多くの患者さんの人生観に触れてきましたが、最後まで笑顔でいられるのは、「病気になったけど、どう生きるかは自分で決める」と、ペンを離さなかった人たちです。
結論をお伝えします。人生の意味は、どこかに落ちているものではありません。あなたの内側(影響の輪)で、あなた自身が創り出すものなのです。
「自分探しの旅」が失敗する理由
「本当の自分」を探してインドに行ったり、転職を繰り返したりする人がいます。しかし、コヴィー博士はこう指摘します。
「『影響の輪』の外に人生の意味を探し求めるのは、主体的な人間としての責任を放棄し(ている)」
「影響の輪の外」とは、他人の評価、会社、流行、環境などのことです。 これらはコロコロ変わります。そんな不安定な場所に「自分の人生の意味」を委ねていたら、環境が変わるたびにあなたのアイデンティティは崩壊してしまいます。
「ここではないどこか」に答えがあるのではなく、「今の自分の内側」にしか答えはないのです。
人生の「脚本家」はあなたですか?
映画製作に例えてみましょう。 映画を作るには、まず「脚本(シナリオ)」を書く必要があります。これをコヴィー博士は**「第一の創造(知的創造)」**と呼びます。
「第一の創造(知的創造)を自分が置かれた環境や他者に任せてしまうことである」
もしあなたが自分で脚本を書かなければ、誰かが勝手に書き始めます。
- 親:「安定した公務員になりなさい」という脚本
- 上司:「会社の駒として働きなさい」という脚本
- 世間:「結婚して家を買うのが幸せだ」という脚本
他人が書いた脚本通りに演じる(第二の創造を行う)人生。それが「いい子」や「社畜」と呼ばれる生き方です。それで本当に幸せでしょうか?
リハビリにおける「他人の脚本」の弊害
「先生、俺の足を治してくれ。そしたら仕事に戻れるから」 このように丸投げする患者さんは、実は治りが遅い傾向があります。これは「医療従事者に脚本を任せている」状態です。
一方で、「俺は孫とサッカーがしたい。そのためにこのリハビリを頑張る」と自分で脚本を書いている人は、驚異的な回復を見せます。 **「自分で決めた」という感覚(主体性)**こそが、人間に無限のエネルギーを与えるのです。
責任(Responsibility)とは「反応を選択する能力」
コヴィー博士は「責任(Responsibility)」という言葉を、「Response(反応)」+「Ability(能力)」、つまり**「反応を選択する能力」**と定義しています。
環境や他人がどんな脚本を押し付けてこようと、それを採用するかどうかを選ぶ能力(責任)は、あなたにあります。
- 会社が倒産した(環境)→ 「もう終わりだ」と嘆くか、「新しい挑戦の機会だ」と捉えるか。
- 上司に批判された(他者)→ 「自分はダメだ」と落ち込むか、「改善点が見つかった」と感謝するか。
人生の意味を外の世界(環境・他者)に求めず、自分の反応と選択の中に意味を見出すこと。それが「主体的な人間としての責任」を果たすということです。
まとめ・アクションプラン
今回の記事のポイントは以下の3点です。
- 人生の意味を「外の世界(影響の輪の外)」に求めても、不安定で満たされない。
- 自分で「第一の創造(脚本作成)」を行わないと、他人の脚本を演じるハメになる。
- どんな環境でも、自分の生き方を選ぶ「責任(反応する能力)」を放棄してはならない。
他人の期待に応えるだけの人生は、もう終わりにしましょう。ペンを取り戻し、真っ白なページに、あなただけの物語を書き始めるのです。
Next Action:今日一日、すべてを「自分で決める」
いきなり人生の目的を決めるのは難しいかもしれません。まずは今日一日、「小さな選択」をすべて自覚的に行ってください。
- 「なんとなくスマホを見る」のではなく、「情報を得るために見る」と決める。
- 「言われたから残業する」のではなく、「この仕事を終わらせたいから残業する」と決める。
「やらされている」を「やると決めた」に変えるだけで、あなたは人生の脚本家に戻ることができます。
そして、自分だけの最高の脚本を書き上げるための具体的なメソッドを知りたい方は、『7つの習慣』(特に第2の習慣)を熟読してください。そこには、あなたの中に眠るコンパスを見つける方法が記されています。
