政治・経済

「国の借金」報道が生んだ緊縮の呪い

taka

過去最大という言葉が作る錯覚

国の借金が「過去最大」──この表現は毎年のように繰り返される。
しかし、政府債務が積み上がるのは国家運営の基本構造であり、翌年も10年後も必ず過去最大になる。
それをあたかも危機の象徴として扱い、国民に不安を植え付けてきたのが財務省と、それをそのまま報じるメディアであった。
予算編成という強大な権限を持つ財務省の意向は、報道にも強い影響を及ぼしてきたといえる。

国民一人あたりという表現の狙い

借金報道のたびに登場する「国民一人あたり」という言い回し。
まるで国民が直接返済義務を負っているかのような印象を与えるが、これは本質とはかけ離れている。
政府の債務を家庭の借金になぞらえるミスリードが長年続き、その刷り込みが緊縮財政を支えてきた。
「国の借金が大変」という空気が濃くなるほど、政府支出は削られ、増税が正当化されていった。

30年停滞の裏側にあった構造的な誤り

1990年代以降、日本は徹底した緊縮と消費税増税を積み重ねてきた。
その結果、世界の主要国の中で日本だけが30年以上も成長しない国になった。
政府支出が減れば需要は生まれず、消費も投資も伸びない。
経済が停滞すれば、国民の所得も上がらない。
他国が普通に成長し、所得を伸ばす中で、日本だけが取り残されていったのである。
緊縮財政と増税は、実質的に自国へ課した経済制裁だったといえる。

緊縮体質を象徴した出来事

2021年の衆院選の最中、財政破綻を懸念する論文が週刊誌に掲載された。
寄稿したのは財務省トップであった事務次官であり、コロナ不況で苦しむ国民をよそに財政出動を警戒する姿勢が強く示された。
その内容はメディアでも大きく扱われ、緊縮を後押しする論調が再び広がった。
国民を救うよりも、支出削減と増税を優先する体質がここにも表れているといえる。

自滅へ向かった30年を見つめ直す

国民負担を上げ、政府負担を下げ続けた政策がもたらしたのは、成長の消失と国民の貧困化であった。
国家が豊かになる方向とは真逆の施策が採られ続けた結果、日本の経済は大きく後退した。
事実を正しく捉え、誤った前提から抜け出すことが、これからの再生には欠かせない。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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