政治・経済

デフレは最大のチャンス──今こそ国の仕組みを変える時

taka

デフレ期こそ大改革が可能な理由

MMTの理解が深まれば、デフレ下では適度なインフレになるまで財政支出が可能であり、むしろ必要であることが自然と見えてくる。もし日本がすでに適正なインフレ環境にあったのなら、これ以上の大規模な財政行動は難しい。だからこそ、長引くデフレにある今は、国の構造を見直すための「稀なチャンス」だといえる。財政支出が正当化される環境は常に訪れるわけではない。今この瞬間、日本には将来のための投資を大胆に行える条件が整っている。

20年以上続く“緊縮の呪縛”

しかし現実には、プライマリーバランス黒字化という誤った前提が政治を縛り続けている。財政支出を行うこと自体を問題視し、国の未来を形作る投資の議論にすら到達できないのが現状だ。
橋本、小泉、鳩山、菅(民主)、野田、安倍、そして菅(自民)。20年以上にわたり歴代政権が緊縮を掲げ、結果として国の基盤は確実に痩せ細っていった。財政の引き締めでは成長は生まれず、むしろ国の力を奪い続けたことが数字にも現れている。

社会基盤は静かに崩れつつある

長期の緊縮は現場に深い影響を残した。建設業の企業数は60万社から10万社以上減少し、地域のインフラを支える力も弱まっている。介護の現場では極端な低賃金が続き、人材不足が慢性化した結果、サービスの質の低下が日常のニュースとなっている。介護職の多くは若い世代であり、彼らが貧困に陥れば少子化も進む。
大学・研究機関も深刻だ。国からの交付金減額により研究資金は枯渇し、若手研究者は育たず、挑戦的な研究は事実上困難になっている。「Nature」が2019年に警鐘を鳴らしたように、日本は世界の研究競争から脱落しつつある。インパクトの大きい論文数が先進国で唯一減り続けている現実は、まさに日本の衰退を象徴している。

国会が議論すべきは“何に投資するか”

いま必要なのは、国会が「財政支出をするか否か」という段階から抜け出すことである。MMTの理解を前提とすれば、デフレ下で支出を拡大するのは当然の政策だ。真に議論すべきは「何に投資すれば日本が再び成長の軌道に乗れるか」という未来志向の問題である。
インフラ、教育、科学技術、子育て、介護、人材育成──日本には投資すべき分野が数多く存在する。これらの基盤を再び強くするには、大胆な財政支出以外に手段はない。

デフレは危機であり、同時にチャンスでもある

長い停滞が続いた日本は、確かに苦境にある。しかし裏を返せば、財政行動をためらう理由がない環境が整っているということでもある。デフレである今こそ、国を変える大きな一歩を踏み出せる。未来に向けた投資を再開し、衰退のスパイラルを断ち切る絶好の機会なのだ。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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