⚙️ 「仕事を追い立てよ。仕事に追い立てられるな」──フランクリンが語る“勤勉の哲学”
■ 「ぐうたらしていると、すべてが困難。勤勉なら、すべてが簡単」
『富に至る道』の中で、フランクリンは次のように語ります。
「役に立つことをやりましょう。勤勉なら、めんどうなしに、もっとたくさんできますよ。
ぐうたらしていると、すべてが困難。勤勉なら、すべてが簡単です。」
怠け者は、何をするにも面倒に感じ、行動を先延ばしにします。
一方で勤勉な人は、行動そのものがエネルギーを生み、仕事を軽やかにこなしていきます。
つまり、**行動する人ほど“楽になる”**という逆説です。
最初に動くか、後で追われるか。
この小さな違いが、人生の自由度を決定づけるのです。
■ 「仕事を追い立てよ。仕事に追い立てられるな」
この一節こそ、フランクリンの勤勉哲学の核心です。
「仕事を追い立てよ。仕事に追い立てられるな。」
自分の意志で行動する人は、常に仕事をコントロールできます。
しかし、受け身の姿勢でいる人は、常に仕事に追われる人生になります。
現代の職場でも同じです。
- “やらされる仕事”は苦しく、
- “自分で進める仕事”は楽しい。
どちらを選ぶかで、結果だけでなく心の余裕までもが変わります。
フランクリンは300年前から、すでに「仕事の主導権を握れ」と説いていたのです。
■ 「早起きしないと終日駆け足」
フランクリンは続けてこう言います。
「早起きしないと終日駆け足、夜中になっても仕事が終わらず。」
これは単なる“早起きのすすめ”ではなく、一日のリズムを自分でつくれという意味です。
朝を制する人は、時間を味方につける。
一方で、遅れてスタートする人は、一日中“追われる”側になります。
現代風に言えば、「朝活」「モーニングルーティン」は、まさにフランクリン流の実践法です。
朝の1時間を有意義に使うことで、
その日一日の生産性が何倍にも高まるというのは、科学的にも証明されています。
■ 「なまけ者の足はのろいから、貧乏神に追いつかれる」
フランクリンは怠惰を“最大の損失”と考えました。
「なまけ者の足はのろいから、あっという間に貧乏神に追いつかれる。」
怠けている時間にも、世界は動き続けています。
努力を怠る人は、気づかぬうちにチャンスを逃し、他人との差を広げてしまうのです。
つまり、怠惰は静かに進む貧困。
努力しない人ほど、知らぬ間に人生の余裕を失っていくのです。
■ 「早寝早起き、健康のもと。富を増やして賢くなる」
フランクリンの最も有名な格言のひとつが、これです。
「早寝早起き、健康のもと。富を増やして賢くなる。」
この言葉は、単なる生活習慣のすすめではなく、人生のバランス論です。
健康・富・知恵の3つは、どれも勤勉と倹約から生まれる。
- 早寝で身体を整え、
- 早起きで時間を得て、
- その時間で学びと行動を積み重ねる。
このサイクルを回すことで、誰でも「富に至る道」を歩めるとフランクリンは説いています。
■ 「時代が良くなる」より「自分が良くなる」
章の最後で、フランクリンはこう問いかけます。
「いい時代になってほしいと願ったところで、なんになるのでしょうか?
自分が良くしようと努力すれば、時代も良くなっていくというものです。」
これは、“環境依存”の逆を行く考え方です。
私たちは「景気が悪い」「社会が悪い」と外に原因を求めがちですが、
フランクリンは明確に言います——
「まず、自分を良くせよ。そうすれば世界は少しずつ良くなる。」
勤勉と倹約というシンプルな原則を実践することが、
社会を豊かにする最初の一歩なのです。
■ まとめ:「自分で動かす人生」を選ぼう
ベンジャミン・フランクリンの「仕事を追い立てよ。仕事に追い立てられるな」という言葉は、
現代でも色あせない“主体性の哲学”です。
- 怠けていると、すべてが困難になる。
- 行動する人には、すべてが簡単になる。
- 時間を先取りし、自分で仕事を動かせ。
フランクリンの言葉を現代風に言えば、
「自分のペースで走る人は、誰にも追われない。」
今日もまた、自分の仕事を追い立ててみましょう。
それこそが、自由で豊かな人生をつくる第一歩です。
