💵 「いくら稼いでも、節約しなければお金は貯まらない」──フランクリンが語る“倹約の力”
■ 「勤勉の成果を確かなものにするには、倹約が必要」
フランクリンはまず、これまで説いてきた「勤勉」に続いて、もう一つの柱を強調します。
「勤勉の成果をさらに確かなものにするためには、これに加えて倹約を実行しなくてはなりません。」
つまり、いくら一生懸命働いても、使い方が間違っていれば意味がないということ。
フランクリンにとって、勤勉と倹約は“両輪”でした。
勤勉が「お金を生む力」だとすれば、倹約は「お金を守る力」。
この2つが揃って初めて、「真の富」が築かれるのです。
■ 「いくら稼いでも節約しなければ、死んだときに一銭も残らない」
フランクリンは痛烈に言い放ちます。
「いくら稼いでも節約することを知らなければ、身を粉にして働いても、死んだときには一銭も残っていなかった、なんてことになりかねません。」
これは、現代にも通じる“収入=豊かさ”という誤解への警鐘です。
収入が多くても、支出がそれ以上なら貯金はゼロ。
フランクリンは、「稼ぐよりも使わないことのほうが難しい」と見抜いていました。
彼の言葉を現代風に言えば、
「年収よりも、残るお金があなたの本当の実力だ。」
■ 「食べ物に贅沢したら、遺言書がやせる」
フランクリンの格言の中でも、この一文はユーモラスで的を射ています。
「食べ物に贅沢したら、遺言書がやせる。」
つまり、贅沢は未来を食いつぶす行為だということ。
小さな無駄遣いも、積み重ねれば資産を確実に削っていきます。
フランクリンが生きた18世紀も、現代と同じく「見栄消費」「快楽的支出」に悩む人が多かった。
彼はそれを、「胃袋の快楽が財布を痩せさせる」とユーモラスに戒めたのです。
■ 「稼ぐ」より「貯める」ことの難しさ
フランクリンは、金持ちになるための第一歩としてこう言います。
「金持ちになりたいと思うなら、稼ぐことだけでなく、節約して貯めることも考えなくてはいけません。」
多くの人は“収入を増やすこと”ばかり考えます。
しかし、支出をコントロールする力こそが、真の経済力です。
なぜなら、
- 収入を増やすのは時間がかかる
- でも、支出を減らすのは今すぐできる
- しかも、節約は“確実な利益”になる
フランクリンは、「1ペニーの節約は1ペニーの儲け」とも語っています。
節約は“消極的な我慢”ではなく、“積極的な利益行動”なのです。
■ 「スペインの失敗」──浪費国家の寓話
フランクリンは、歴史を引き合いに出して警告します。
「スペインは、西インド諸島を植民地にしましたが、それによって富める国にはなりませんでした。
なぜなら、入ってくるよりも出ていくほうがはるかに多かったからです。」
これは、浪費する国はどれだけ富を得ても貧しくなるという歴史の教訓です。
現代にも同じことが言えます。
どんなに高収入でも、支出が多ければ家計は破綻する。
つまり、フランクリンが説く倹約の哲学とは、
「稼ぐよりも、出ていくお金を管理する力を持て」
という“経済的自律”の思想なのです。
■ 「倹約」と「ケチ」は違う
ここで注意したいのは、フランクリンが勧める“倹約”は“我慢”ではないという点です。
彼が説いた倹約は、**「自分にとって価値のあるものにだけお金を使う」**という考え方。
無駄を省き、本当に大切なものに投資するのです。
たとえば、
- 自分の学びや健康への投資
- 家族との時間を豊かにする支出
- 将来の安心のための貯蓄
これらは、フランクリンが言う“生きたお金の使い方”です。
単なる節約ではなく、意識的な選択の積み重ねこそが豊かさを生むのです。
■ まとめ:「倹約は、自由を生む力」
ベンジャミン・フランクリンの言葉
「いくら稼いでも、節約しなければお金は貯まらない。」
この一節には、現代人にとっても timeless(時を超えた)真理が込められています。
- 勤勉は“稼ぐ力”を、倹約は“守る力”を育てる。
- 小さな浪費が、大きな不自由を生む。
- 節約は我慢ではなく、自立のための選択である。
フランクリンの言葉を現代風に言えば、
「倹約は、人生の自由を買う力だ。」
あなたの努力が、確かな成果として残るように。
今日から、“稼ぐ力”と“守る力”の両方を磨いていきましょう。
