「教えてもらってない」は禁句です。主体的な人だけが見ている景色の広げ方。
「うちの会社は教育制度が整っていない」 「上司が何も教えてくれないから成長できない」
居酒屋やSNSで、そんな愚痴をこぼしたことはありませんか? 確かに、手厚い研修や優れたメンターがいる環境は理想的です。しかし、それが用意されるのを口を開けて待っているだけでは、あなたの人生は他人の都合に支配されたまま終わってしまいます。
世界的な名著『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィーは、**「主体的な人は、誰かがお膳立てしてくれなくても、自分から勝手に視野を広げていく」**と断言しています。
私は理学療法士として多くの実習生や若手を見てきましたが、伸びる人は総じて「教わるのを待たない人」です。彼らは教科書に載っていないことを、自分から貪欲に盗みにいきます。
この記事では、受け身の姿勢(反応的)と、自ら機会を作る姿勢(主体的)の決定的な違いについて解説します。
結論をお伝えすると、「環境が与えてくれないなら、自分で取りに行けばいい」。このシンプルなスイッチが入った瞬間、あなたの成長速度は劇的に加速します。
「待ちぼうけ」の人生をやめよう
コヴィー博士の言葉は、成長の責任を環境に転嫁する甘えを一刀両断しています。
主体的な人は、視野を広げる経験を他人や周りの人がつくってくれなくても、自分から意識的に視野を広げていくことができるのだ。
- 反応的な人(受け身): 「会社がセミナーに行かせてくれない」「誰もチャンスをくれない」と不満を言い、その場に留まり続ける。
- 主体的な人(能動的): 「会社が出してくれないなら自腹で行く」「社外の人に会いに行く」と、自分でドアを開けて外の世界を見に行く。
待っているだけで「視野が広がる経験」が向こうからやってくることなど、人生においてほとんどありません。
視野が狭いことのリスク
視野を広げないと、私たちは「井の中の蛙」になります。
リハビリ現場での「勉強しない」恐怖
私がいる医療の世界でも、就職した病院のやり方しか知らないセラピストは危険です。 「うちの病院ではこうやっているから」という狭い常識に囚われ、世の中にはもっと効果的な最新治療があることに気づけないからです。
被害を受けるのは患者さんです。 ビジネスでも同じで、社内の常識しか知らない人は、市場の変化(外の世界)に対応できず、会社が傾いたときに共倒れしてしまいます。
今日からできる「視野拡大」トレーニング
では、誰の手も借りずに、自分で視野を広げるにはどうすればいいのでしょうか。 お金をかけなくてもできることは山ほどあります。
- いつもと違うジャンルの本を読む ビジネス書ばかり読んでいるなら、小説や歴史、科学の本を読んでみる。それだけで脳に新しい回路が繋がります。
- 「アウェー」な場所に行く いつものメンバーとの飲み会を断り、異業種の交流会や、趣味のコミュニティに参加してみる。
- 反対意見を聴く 自分と違う政治思想や価値観を持つ人の話や記事を、批判せずに読んでみる。
これらは全て、誰かに命令されてやるものではなく、**「自分から意識的に」**やるものです。 この能動的なアクションこそが、主体性の筋肉を鍛えてくれます。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- 主体的な人は、会社や他人が機会を与えてくれるのを待たず、自分で学びの場を作る。
- 環境のせいにして視野を広げないでいると、「井の中の蛙」になり、変化に対応できなくなる。
- 異ジャンルの読書や、社外の人との交流など、自分から動くことでしか新しい景色は見えてこない。
Next Action:本屋で「寄り道」をしよう
今日、帰りに本屋さんに寄ってみてください。 そして、**「普段の自分なら絶対に行かないコーナー」**に足を運び、気になった本のタイトルを眺めてみてください。
「へぇ、こんな世界があるんだ」 そう感じた瞬間、あなたの視野は数ミリ広がっています。
誰かに教えられるのを待つ人生は楽ですが、退屈です。 自分で学びのハンドルを握り、見たことのない景色を見に行きたい方は、**『7つの習慣』**を読んでみてください。自立した大人の学び方がそこにあります。
