「お兄ちゃんだけズルい!」と言わせない。あえて「バラバラ」に対応すべき驚きの理由
「お兄ちゃんばっかりズルい!」 「私には厳しすぎるんじゃない?」
兄弟や姉妹を育てていると、こんな不満をぶつけられて困ったことはありませんか? 親としては「みんな同じように愛しているし、同じようにおやつも分けているのに……」と、モヤモヤしてしまうものです。
しかし、素晴らしい親子関係を築いている”子育ての達人”は、全く逆の発想を持っています。
「一人ひとりの子どもに対してそれぞれ違う接し方をしてこそ、公平に接していることになる」
この記事では、この逆説的とも言える**「真の公平さ」**について解説します。
結論から言うと、「平等(同じにすること)」と「公平(ニーズに合わせること)」は全くの別物です。 この違いを知るだけで、あなたの肩の荷が下り、子供たち一人ひとりが「自分は愛されている」と実感できる素晴らしい関係が築けるようになります。
「平等(Equality)」と「公平(Equity)」の決定的な違い
まず、多くの人が陥りがちな勘違いを解きましょう。 私たちは学校教育などで「みんな平等に扱いましょう」と教わってきましたが、育児や対人関係において、機械的な平等はむしろ「不公平」を生むことがあります。
全員に「同じサイズの靴」をあげるのは公平か?
これを小学生でもわかるように**「靴のプレゼント」**で例えてみましょう。
- 平等な接し方: 足のサイズが「20cmの子」にも「24cmの子」にも、全員に同じ22cmの靴をあげること。 → 「平等」ですが、誰も履けません。不満が出ます。
- 公平な接し方: 20cmの子には20cmの靴を、24cmの子には24cmの靴をあげること。 → 与えるものはバラバラですが、全員が快適に歩けます。
この図のように、「全員に同じ踏み台を与える(平等)」のではなく、「背の高さに合わせて踏み台の高さを変え、全員が壁の向こうを見えるようにする(公平)」こと。 これこそが、私たちが目指すべき姿なのです。
なぜ「違う接し方」が必要なのか?
元の文章にある通り、素晴らしい関係を築くためには、一人ひとりに「違う接し方」をする必要があります。なぜなら、子供によって**「愛を感じるポイント(ニーズ)」が全く違うから**です。
「心の栄養」の種類は人それぞれ
例えば、植物を育てる時を想像してください。
- サボテンには、水をやりすぎると腐ってしまいます。
- アジサイには、たっぷり水をあげないと枯れてしまいます。
これを「公平に」といって、サボテンにもアジサイにも毎日コップ一杯の水をあげたらどうなるでしょうか? どちらもダメになってしまいますよね。
人間も同じです。
- Aくん:じっくり話を聞いてあげることで愛情を感じるタイプ。
- Bちゃん:一緒に公園で遊ぶことで愛情を感じるタイプ。
- Cくん:言葉よりも、スキンシップ(ハグなど)で安心するタイプ。
それぞれに必要な「心の栄養素」が違うのに、親が「私は全員に同じように接しています(同じ栄養を与えています)」と主張しても、子供たちの心は満たされません。
相手が欲しているものを、欲している形で見極めて与える。 それが、あえて「違う接し方」をすることの正体です。
「えこひいき」と言われないためのコツ
とはいえ、「お兄ちゃんとは違う対応をする」となると、子供から不満が出るのが心配ですよね。 大切なのは、「なぜ対応が違うのか」を堂々と説明することです。
医者のように処方する
もし子供が「どうして妹には優しくして、僕には厳しいの?」と聞いてきたら、お医者さんのように答えてあげてください。
「お腹が痛い患者さんと、頭が痛い患者さんがいたら、先生は違う薬を出すよね? それと同じだよ。 今のあなたには、自分で乗り越える力が必要だと思っているから厳しく見守っているの。 妹は今、安心感が必要だから抱っこしているの。 必要なものが違うだけで、あなたへの愛情の量は妹と全く同じだよ」
このように、親が自信を持って「あなたの個性を見ているからこそ、この対応をしているんだ」と伝えることができれば、子供は深い納得感と安心感を得ることができます。
まとめ・アクションプラン
今回の記事の要点をまとめます。
- 「同じようにすること」は平等だが、必ずしも公平ではない。
- 子供によって「愛を感じるポイント」や「必要なサポート」は異なる。
- 一人ひとりの個性(サイズ)に合わせた接し方をすることこそが、本当の公平さである。
最後に、今日からできるアクションプランです。
【Next Action】 今日、お子さん(または部下やパートナー)一人ひとりをじっくり観察し、**「この子が今一番欲しがっているものは何だろう?」と自問してみてください。 (話を聞いてほしい? 褒めてほしい? 放っておいてほしい?) そして、兄弟比較をせず、その子一人だけに向けた「オーダーメイドの対応」**を一つだけ実践してみましょう。
「みんな違って、みんな良い」。その言葉を、まずは親の接し方から体現してみてください。
