悩みの原因は自分にある ― マルクス・アウレリウスに学ぶ心の整え方
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Taka Knowledge Output
「恐怖に身を委ねてしまえば、生きる理由も失われ、限りなく惨めになる」――セネカ『倫理書簡集』。
のちにアメリカの大統領フランクリン・D・ルーズベルトも、就任演説でこう述べました。
「私の信念を言わせてもらえば、われわれが恐れるべきものはただひとつ、その恐れそのものです。名状しがたく、理性を欠いた、根拠のない恐怖が、人々を麻痺させ、後退を前進へ変える努力を阻むのです」
この言葉は大恐慌の混乱のなかで発せられました。銀行が次々に倒産し、人々は生活の不安に震えていました。しかしルーズベルトは「恐怖そのものが最も危険だ」と人々に伝え、冷静さを取り戻すよう訴えました。
ストア派哲学者たちは、恐怖が人間に最も惨めな結果を招くと考えました。なぜなら、恐怖に駆られた行動は理性を失い、自分や周囲をさらに不幸にしてしまうからです。
つまり「恐怖への恐怖」が、実際の問題よりも大きなダメージを与えるのです。
では、私たちはどうすれば恐怖に支配されずにいられるのでしょうか。セネカやルーズベルトの教えをヒントに、日常で実践できる方法を挙げます。
情報があふれる社会では、ニュースやSNSによって恐怖や不安が増幅されやすくなっています。株価の変動、景気の不安、感染症、災害――恐れる理由はいくらでも見つかります。しかし、恐怖に囚われたままでは何も前に進みません。
冷静さを保ち、理性に基づいて選択すること。これがセネカが説き、ルーズベルトが国民に呼びかけた「恐れない心」です。
恐怖は避けられません。しかし、それに支配されるかどうかは自分次第です。今日から「恐れに立ち向かう練習」を始めてみませんか。