『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』レビュー|自己理解でモヤモヤから抜け出す方法
「やりたいことがわからない」人へ
「あなたのやりたいことは何ですか?」と聞かれて、即答できる人はどれくらいいるでしょうか。
多くの人は「本当にやりたいことは仕事にできない」と自分を納得させたり、「何となくモヤモヤしながら毎日を過ごす」ことに慣れてしまっています。
そんな状況に終止符を打つのが、八木仁平さんの『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』です。年間200人以上の「やりたいこと探し」をサポートしてきた著者が編み出した、論理的で再現性の高いメソッドが体系的にまとめられています。
やりたいこと探しを邪魔する「5つの迷信」
本書ではまず、やりたいこと探しに失敗する原因となる「5つの間違い」を指摘しています。
- 一生続けられることを探さなきゃいけない
→ 時代が変わる今、「今一番やりたいこと」で十分。 - 運命的な感覚があるはずだ
→ やりたいことは試行錯誤して育てていくもの。 - 人のためになることじゃないとダメ
→ 自分がやりたいことを続ける結果、人の役に立つ。 - とにかく行動すれば見つかる
→ 自己理解がないまま動くと、かえって迷子になる。 - やりたいことは仕事にならない
→ 実現方法は後から考えればよい。
まずはこの思い込みを外すことで、やりたいこと探しのスタートラインに立てます。
「自己理解メソッド」で本当にやりたいことを見つける
著者が提唱するのは、次の3つを掛け合わせる方法です。
- 好きなこと(What):興味があり情熱を感じる分野
- 得意なこと(How):自然にできてしまう才能
- 大事なこと(Why):自分の価値観、人生で大切にしたいこと
これらを組み合わせることで、「仮のやりたいこと」から「本当にやりたいこと」へと近づけていきます。
たとえば、著者自身は「自己理解(好き)」を「体系立てて伝える(得意)」ことで、「人生に夢中になる人を増やす(大事なこと)」を実現しています。
自分を変えるのではなく「活かす」
本書の大きなメッセージは「短所を直すより、才能を活かせ」というものです。
たとえば「人と長時間いると疲れる」という性質は、一見短所に見えます。しかし「一人で集中して物事に取り組める」という強みに言い換えれば、ブログや執筆などで活かせるのです。
「人見知りだから…」と諦めるのではなく、「人見知りだからこそできること」を見つける。これが自己理解を通じて、自分らしいキャリアを築く第一歩になります。
やりたいことは「仮決め」でいい
本書では「やりたいことは仮で決めてOK」と強調されています。
最初から完璧にフィットするものはほとんどありません。仮のやりたいことを行動しながら修正していくことで、本当にやりたいことに近づけます。
「今できること」を決めて動き始めることが、最大の突破口なのです。
読後に得られるもの
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を読み終えると、
- モヤモヤの正体が整理できる
- 自分の価値観や得意なことが明確になる
- 「仮決め」でも行動していいとわかり、気持ちが楽になる
といった変化を実感できるはずです。
巻末にはワークやフローチャートも収録されているため、読んで終わりではなく「実際に紙に書きながら自己理解を深める」ことができます。
まとめ
- やりたいことは「好き×得意×大事」で見つける
- 思い込みを外し、仮決めから行動して修正していけばよい
- 短所を直すのではなく「活かす」ことが自己理解の鍵
「モヤモヤから抜け出したい」「やりたいことを見つけて動き出したい」と思う人にとって、本書はまさに実践的な道しるべになるでしょう。
