自己啓発

周りを責めず、自分にできることに集中する:エピクテトスとマンデラに学ぶ心の姿勢

私たちは困難に直面したとき、つい「環境が悪いから」「誰かのせいでこうなった」と周りを責めがちです。しかし古代ストア派の哲学者エピクテトスは『語録』の中でこう語りました。

「神を責めるのも、誰かを責めるのもやめよ。何かを欲するならその欲望を十分に御し、何かを避けたいなら、自分の理性的判断が及ぶ範囲にとどめよ」

つまり、私たちにできるのは「自分の理性でコントロールできる範囲」に集中することです。怒りや恨み、妬みや後悔といった感情に流されることは、問題を解決するどころか、むしろ心を乱すだけなのです。

マンデラが示した不屈の姿勢

この哲学を体現した人物の一人が、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラです。彼はアパルトヘイトに抵抗したため、27年間も投獄されました。そのうち18年間は、狭く不衛生な監房に閉じ込められ、面会も年に一度30分しか許されないという過酷な環境でした。

それでもマンデラは自尊心を失いませんでした。仲間の証言によれば、彼は「走れと言われれば歩き、速く歩けと言われればゆっくり歩いた」。つまり「条件を相手に決めさせない。自分の選択を貫く」という態度を崩さなかったのです。彼は縄なしで縄跳びをし、シャドーボクシングで体を鍛え、仲間を励まし続けました。

まさに「周りを責めず、できることに集中する」姿勢の体現者でした。

感情に流されないために

私たちの日常でも、怒りや苛立ちに振り回される場面は少なくありません。仕事での理不尽な要求、人間関係の摩擦、予期せぬトラブル…。そうしたときに大切なのは、次のことです。

  1. コントロールできることとできないことを分ける
    相手の態度や環境は変えられません。しかし、自分の反応は選べます。
  2. 感情を一時的に保留する
    怒りや不満が湧いたら、すぐに反応せず、一呼吸おくこと。冷静さを取り戻す時間を持つことが重要です。
  3. 小さな実践を積み重ねる
    健康を守る、仕事に誠実に向き合う、周りを支える。こうした「自分にできること」を毎日積み重ねることが、やがて大きな強さになります。

まとめ

エピクテトスとマンデラが教えてくれるのは、「他人や環境を責めても何も変わらない」ということです。変えられるのは、あくまで自分の選択と行動だけ。だからこそ、自分にできることに集中し、感情に流されずに前へ進む。これこそが、逆境を乗り越えるための最も確かな方法なのです。

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taka
理学療法士TAKAが自分の臨床成果を少しでも高めるために、リハビリ・運動学・生理学・物理療法について学んだ内容を発信。合わせて趣味の読書や自己啓発等の内容の学びも自己満で発信するためのブログです。