ベンジャミン・フランクリンに学ぶ——欠点を直して人生を変える「13週間メソッド」
欠点を「放置せず、向き合った」天才フランクリン
アメリカ建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリン。
発明家・政治家・外交官として、数々の功績を残した彼は、
“万能の天才”として世界中から尊敬されています。
しかし、そんな彼にも若い頃は多くの欠点がありました。
デール・カーネギー『道は開ける』によると、
フランクリンはある夜、自分自身を振り返って気づきます。
「自分には13の重大な欠点がある。」
たとえば——
- 時間を浪費する
- 些細なことに悩む
- 相手の意見に反論して言い争う
どれも、誰もが身に覚えのある弱点です。
「欠点を直さない限り、大きな成功はない」
フランクリンは気づきました。
自分がどれほど知識を増やしても、
性格の欠点を直さない限り、真の成功は得られないということに。
そして、彼は一つの挑戦を始めます。
「毎週、ひとつの欠点を選び、徹底的に直す。」
この“自己改善プログラム”を、彼は2年以上も続けたのです。
13の欠点をリストにし、
1週間ごとに1つの欠点に集中して修正する。
そして、その結果を毎晩日記に記録しました。
この地道な努力が、
やがて彼をアメリカで最も敬愛される人物のひとりへと押し上げたのです。
フランクリン流「13の美徳」習慣術
実際に、フランクリンは『自伝』の中で、
自分の欠点を克服するために設定した「13の美徳」を紹介しています。
たとえば:
1️⃣ 節制 — 食べ過ぎず、飲み過ぎず。
2️⃣ 沈黙 — 無駄な話をせず、有益なことだけを話す。
3️⃣ 規律 — 時間を守り、計画を実行する。
4️⃣ 決断 — やるべきことはすぐ決め、実行に移す。
…
これらを毎週ひとつずつ重点的に鍛える。
そして、13週(約3か月)で1サイクルを終えたら、
また最初に戻って繰り返す。
この方法を何年も継続することで、
フランクリンは人格を磨き、偉業を成し遂げたのです。
「反省」と「記録」が成長のカギ
フランクリンの成功は、天才的な才能よりも、
日々の反省と記録の積み重ねにありました。
カーネギーもこの点を強調しています。
「フランクリンは毎晩、真剣に反省していた。」
今日の自分の言動を振り返り、
「できたこと」「直すべきこと」を書き出す。
この**“内省の時間”**こそが、
彼を成長させるエネルギー源でした。
現代でも、心理学の分野では「リフレクション・タイム(内省の習慣)」が
ストレス軽減や自己効力感の向上に効果的だとされています。
欠点を直すための3つのステップ
フランクリンの方法を、現代風にアレンジすると次の3ステップになります。
① 欠点リストを作る
「怒りっぽい」「集中力が続かない」「遅刻しがち」など、
自分の改善したい点を10〜13個ほど書き出しましょう。
② 1週間に1つだけ集中して直す
一度にすべてを直そうとすると続きません。
1週間に1テーマだけ意識して行動します。
③ 毎晩5分だけ記録をつける
寝る前に、「今日、意識できたこと」「できなかったこと」をメモ。
自己批判ではなく、自分との対話の時間にしましょう。
継続するほど、人格は磨かれていく
フランクリンはこの習慣を2年以上続けました。
それは苦しい努力ではなく、
「昨日より少し良い自分になる」喜びの連続でした。
彼の言葉に、こんな一節があります。
「自分を律することができれば、
どんな運命にも左右されない。」
これは、現代に生きる私たちにも響く真理です。
自己改善は、一気に成果を出すものではなく、
小さな改善を積み重ねることで大きな変化を起こすものだからです。
まとめ:欠点を受け入れた人ほど、成長できる
デール・カーネギーは、フランクリンの姿勢をこう評価します。
「欠点を直す努力こそ、人間を偉大にする。」
完璧な人間はいません。
しかし、欠点を放置せず、向き合い続ける人だけが
本当の意味で“成長する人”になれるのです。
毎晩5分の反省、1週間ひとつの改善。
小さな努力が、あなたの未来を確実に変えていきます。
