GDPの正体とは?私たちの給料との関係
ニュースでよく耳にする「GDP」の正体とは
ニュースで頻繁に耳にする「GDP」という言葉。「日本のGDPは五百兆円を超えた」「今期の成長率はプラスだ」などと聞くが、具体的に何を意味するのか曖昧なままにしている方も多いのではないだろうか。GDPとは英語で「国内総生産」を意味する。少し噛み砕いて表現すると、「ある国のなかで、一年間などの一定期間に新しく生み出された価値の合計」となる。この「新しく生み出された価値」を経済学の用語で「付加価値」と呼ぶ。つまり、GDPとは日本全体で生み出された付加価値の総額のことである。
新たに生み出される「付加価値」とは何か
では、この「付加価値」とは具体的に何を指すのだろうか。身近な例として、家庭でのパン作りを想像してみてほしい。スーパーで小麦粉やバターなど、千円分の材料を買ってきて、手間暇かけて美味しいパンを焼いたとする。もしこのパンをプロの店で販売したとき、三千円の価値があるとする。この場合、販売価格の三千円から、もともと存在していた材料費の千円を差し引いた「二千円」こそが、人間の労働や工夫によって新たに生み出された価値、すなわち「付加価値」となるのである。
商品が消費者に届くまでの付加価値の連鎖
この付加価値は、一つの商品が消費者の手に届くまでのすべての過程で連続して生み出されている。例えば、農家が小麦を育てて売り、製粉所がそれを小麦粉に加工し、パン屋がパンを焼いて消費者に届ける。それぞれの段階で、仕入れ値に対して自らの労働や加工の手間を上乗せし、次の人へと販売していく。この一連のプロセスで生み出されたそれぞれの付加価値をすべて足し合わせると、最終的に消費者が支払う商品の価格とピタリと一致する仕組みになっているのである。
私たちの給料と経済成長の本当のつながり
つまり、「ある商品の最終価格は、それが世に出るまでに関わったすべての人の付加価値の合計に等しい」といえる。そして、国全体の付加価値の合計であるGDPは、めぐりめぐって私たちの給料の源泉となっている。GDPが成長するということは、国全体で生み出される付加価値が増加し、ひいては働く人々の手元に入る富が増えることを意味している。ただの無機質な数字に見えるGDPの本質を理解することで、「経済成長」という言葉の真の姿が鮮明に見えてくるはずである。
