自己啓発

“やり続けるな”教 vs “やり抜け”教:ビジネス書100冊読むと宗教戦争が起きていた話

taka

「やり抜け」vs「やめろ」の宗教戦争がビジネス書に存在した

前章では“やり抜け派(執念勢)”の教えを紹介した。
だが今回はその真逆——

「ひとつのことをやり続けると破滅する」

という“変化勢”の教えである。

両者の主張は完全に真っ二つ。
読んでいるだけで内戦が起きるレベルで対立している。


『チーズはどこへ消えた?』:変化しないと死ぬ

変わらなければ破滅することになる
『チーズはどこへ消えた?』p.40

この本は「変化を受け入れろ」の象徴的ベストセラー。

ざっくり言うと——

  • 迷路でチーズ(=成功)を見つける
  • いつまでもそこに居座る者がいる
  • しかしチーズは消える
  • 変化を受け入れて新しいチーズを探す者だけが生き残る
  • 固執する者は弱っていく

つまり、

ひとつの場所にしがみつくと死にますよ

というメッセージ。

ここで前章の“やり抜く力”を思い出してほしい。

“20年タダ働きでも信念を貫け(ナポレオン・ヒル)”

『チーズはどこへ消えた?』的には 破滅コース

理屈の整合性が取れてしまった。


『ニュータイプの時代』:粘り強さ=オールドタイプの象徴

従順・論理的・勤勉・責任感の強さ——これらはオールドタイプ
『ニュータイプの時代』p.1

著者・山口周さんによると、

粘り強くやる → これから価値がなくなる

という大胆な主張が展開される。

行動様式の比較がこう。

  • オールドタイプ: 計画し、粘り強く実行
  • ニュータイプ: とりあえず試し、ダメなら即撤退

Amazonが素早い撤退を繰り返して成長したという話もよく出てくる。

つまり、

粘り強い実行=旧時代
試して即撤退=現代の価値

という構図になる。


ビジネス書を「縦に併読」すると驚愕の結論が出てしまう

ここまでの教えをガッチャンコすると——

  • ナポレオン・ヒル:
    「やり抜け!執念!信念!諦めるな!」
  • チーズ本:
    「変わらなければ破滅」
  • ニュータイプ:
    「粘り強さは価値を失う」

これらを併用した結果の結論がこれ。


『思考は現実化する』は破滅する(オールドタイプだから)

まさかの“他本による相互レビュー”のようになった。


……しかし『思考は現実化する』は1960年代にアップデートされていたらしい

ここで油断してはいけない。
『思考は現実化する』の前書きにはこんな説明がある。

1960年代にさらに磨きをかけ、コンプリート・プログラムが誕生した
『思考は現実化する』p.35

つまり、

本編はまだ序章
完全版は別に存在する

ということだ。

そこで検索してみた。

「ナポレオン・ヒル コンプリート・プログラム 購入」

出てきたのは……
110万円の教材セット。

僕はそっとブラウザを閉じた。

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ABOUT ME
TAKA
TAKA
理学療法士/ビール
理学療法士として臨床に携わりながら、リハビリ・運動学・生理学を中心に学びを整理し発信しています。心理学や自己啓発、読書からの気づきも取り入れ、専門職だけでなく一般の方にも役立つ知識を届けることを目指しています。
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